《森 光年》
前回の記事でご紹介したパスティスとスパークリングワインのカクテル、『午後の死(デス イン ジ アフタヌーン)』を先日とあるバーで飲みまして。 この午後の死、考案者のヘミングウェイはシャンパーニュで作ることを推奨していたそうですが、その日はイタリアのかなりドライなものを使用。 風味に癖のあるパスティスと合わせるのには癖のあるシャンパーニュよりもドライなワインのほうがいいはず、というバーのマスターのアイデアでしたが、これが見事に図に当たりました。 午後の死はかなり酔いやすいカクテルなのであまりぐいぐい飲まないよう注意が必要なのですが、わかっちゃいるのに手が止まらないほど美味しい! みなさまも午後の死を飲む機会がありましたら(あまりないとおもいますが)スパークリングワインは是非とびきり辛口のものをお試しください。 通常の午後の死よりなおいっそう、これからの季節にぴったりのカクテルになると思います。 そんなわけで森光年なんですが、じつは午後の死をさしおいて今年の夏の私の定番になりつつあるお酒がありまして。 修道院の秘伝の製法で作られているフランスのリキュール、シャルトリューズ。バーでは定番ともいえるこの薬草系のリキュールをトニックで割ったシンプルなカクテル、シャルトリューズトニックがそれです。 これまたパスティスの水割りや午後の死と同様、香りが爽やかで夏にぴったりのお酒なんですね。 シャルトリューズには緑(ヴェール)と黄(ジョーヌ)がありまして、緑のほうが度数は高く薬草の香りが強く、黄色のほうは蜂蜜の香りや食感が特徴的。 シャルトリューズの代表的なカクテルとしてはジンとシャルトリューズをシェイクしたアラスカ(緑を使うとグリーン・アラスカ)がありますが、とても度数が強いので要注意です。 当然、トニックで割っても緑と黄色で個性のちがうカクテルになるのですが、個人的には薬草の香りが爽やかな緑のシャルトリューズトニックのほうが好みですね。 私の行きつけのバーでは要望があればこの緑のシャルトリューズトニックに、シャルトリューズの原初の製法に近いとされるシャルトリューズ エリキシル ヴェジェタル(通称、シャルトリューズEVE)をひとたらししてくれるのですが、これで薬草の香りにさらなる複雑味が加わってとても美味です。 シャルトリューズはパスティスとちがい、だいたいどこのバーにも置いてあると思います。 この夏はみなさんもシャルトリューズトニックで(お酒に自信のある方はもちろんアラスカでも)楽しまれてはいかがでしょうか。 薬草が夏バテに効果を発揮してくれる…かもしれませんよ。 |
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