《大浜サキ》
さらに前回のつづき。毎度ながら記事を畳んであります。 長くなったアニメの感想集もこれにて終了です。 TVアニメに興味のある方はどうぞ↓ (★=オリジナル ☆=原作付き) ●10月まで放送された作品 「ラブ★コン」☆☆☆☆ 背の高い女のコとちっこい男のコの、ラブになりそうでコメにしかならない 学園生活を、ボケとツッコミと関西弁の百花繚乱でまぶした爆笑アニメ。 直情径行なリサと天然すぎる大谷の掛け合いが可笑しいのなんの。 それを眺めてはイライラしっぱなしの親友ノブちゃんのキレっぷりも最高です。 というかこのアニメは全てのキャラが可愛い。どの場面を見ていてもほのぼのしました。 赤とベージュの制服がそれぞれのキャラに合わせて着こなされてたのも芸コマ。 朝方・夕方枠が獲得できず、深夜に追いやられた不運な作品・・・。 「おおきく振りかぶって」☆☆☆☆☆ 異常に制球力が高いのに弱虫なピッチャーと、それを支える頭脳派キャッチャー の夫婦善哉・・・もとい、高校球児たちの信頼関係と奮闘を描く本格野球アニメ。 もともとスポ根には興味無い私ですが、これは面白かった。 一瞬たりとも目が離せない緻密な絵コンテや、巧みに静と動を使い分ける選曲、 マウンドの匂いや選手の息づかいまで伝わってきそうな作画など、スタッフは どんだけ野球好きなんだと突っ込みたくなるほどのクオリティでした。 アニメは2試合ぶんまで描いたところでさらっと終わってしまいましたが、 原作のストックが貯まったらまた続きをぜひ作って欲しい一本です。 ●12月まで放送された作品 「電脳コイル」★★★★ 現実の上にバーチャル空間を投影する「電脳メガネ」が提供するフィールドを、 子供達が縦横無尽に遊び倒した感のあるマニアックな作品。 大人の目を盗んで路地裏で怪しい遊びに興じる感覚がたまりませんでした。 市内のバグを駆除して回るプログラムとの追いかけっこや、ユーモラスな 電脳キャラたちによるドッグファイト、下手なホラーより怖い電脳ゾンビの増殖など、 SFマインド溢れるアイデアが次から次へと投下されるのが魅力の一本。 そういったテンションの高さに比べ、謎の解明に向けて湿っぽい話が続いた 終盤の失速感があれれ、という感じでした。 まあ個人的に、サドっ気たっぷりの暗号使い・イサコの不敵な勇姿を もう一度見たかったというのも大きいんだけど(笑)。積み上げられた学校机の 上にふんぞり返り、矢継ぎばやに電脳戦を展開する彼女の姿は、さながら マンガ版AKIRAの鉄雄のようでした。 「ひぐらしのなく頃に解」☆☆☆ 06年4月に放送された問題提出編から半年おいて放送された解答編。 これまたアニメには貴重なホラー作品ということで飛びついた一本です。 萌えとホラーの相性がこんなに良いとは目からウロコ! とはいえ今回は種明かしなので、ドロドロの因習と疑念渦巻く 雰囲気が引っ込んだのは少し寂しかったです。 前作にあった、恐ろしいシーンになるとデッサンが崩れる演出も今回は無し。 画面の中で何かが起きてるうぅぅ、って感じがして好きだったのに~。 内容では、1クール近く続いた児童虐待話がしんどかった。中盤の鷹野三四の エピソードは迫力がありましたが、後半は随分あっけなかった印象。 原作好きの人によるとアニメは「骨だけ残して肉をそいでしまった」出来だそうな。 「BLUE DROP ~天使達の戯曲~」★★★★ 吉富昭仁のマンガ、BLUE DROPシリーズの前日譚にあたるTVオリジナル作品。 女学院の生徒たちの触れ合い部分と、松本零士チックな戦艦バトル部分が、 水と油のように混じりあうことなく同在し続けたヘンなアニメでした。 尾道が舞台な事といい、古臭いキャラデザといい、全体的に昭和テイスト溢れる 作りが、箱庭的キャッキャウフフな世界には合っていたと思います。 っていうか、SFも込みですべては百合を描くためにあったとしか思えない(笑) 萩尾望都や大林宣彦、宇宙戦艦ヤマトへのオマージュもたっぷり。 あとCGパートを担当したGONZOは、最近他社の作品の方が力が入ってるような・・・。 ●まとめ ここ数年の流れで言えば、07年はとても豊作な年でした。 特にオリジナル作品から良作がたくさん出たのは、アニメファンとして なによりも嬉しかったです。4月には各社とも気合いを入れた超大作がスタートし、 よりどりみどりな状況に嬉しい悲鳴を上げてました。 原作を丁寧にアニメ化したものも楽しく見ているのですが、最近では 右を向いても左を向いても原作ものばかり。 そんな状況にふと不安感を覚える事も多かった昨今、07年は 胸のすくような思いがしました。 というわけで、当初の予定よりはるかに長くなってしまったけれど、 一TVアニメ中毒者による2007年の回顧でした。 |
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