《森 光年》
1月31日から神戸市立美術館でおこなわれる『チューリヒ美術館展』、とてつもなく豪華なラインナップですなあ… セザンヌやピカソのみならず、カンディンスキーとかモンドリアンとか(ゴッホはまあどうでもいい)。フライヤーを見ているだけでご飯が三杯食べられそう。 またその一方、兵庫県立美術館ではスイスを代表する画家、ホドラーの回顧展をやっているあたり兵庫県の文化度の高さでしょうか。 チューリヒ美術館展のほうにもホドラーは展示されるのに、さらに別個で回顧展までやっちゃうという贅沢さ。 せめて、ホドラー展の方だけでもこっちに来てくれなかったものか…人口あたりの美術館の数が48都道府県でワースト1である大阪在住の哀しさです。 そんなわけで森光年なんですが、昨夜、というか本日の未明ですが、モードブランドのメゾン・マルタン・マルジェラがジョン・ガリアーノをデザイナーに迎えて初となるコレクションをロンドンで披露しました。 【MAISON MARGIELA 2015 SS HAUTE COUTURE (WWD.com)】 ファッション誌のWWDのライターさんがさっそく熱のこもったリポートをアップしておられたので、詳しい解説はそちらをご参照ください。 【心配無用だった。ガリアーノと「マルジェラ」のマリアージュ(WWD.com)】
以前にも書いたと思いますが、ジョン・ガリアーノといえば名門クリスチャン・ディオールのデザイナーを長らくつとめ、天才と謳われた人物。
四年前、パリのカフェで酩酊して他のお客さんに民族差別的な暴言を吐く姿が動画におさめられ、以来、業界の表舞台から姿を消しておりました。 そんな彼が90年代に旋風を巻き起こしたモード界の重鎮、メゾン・マルタン・マルジェラのデザイナーとして復帰する、ということで今回のコレクションには全世界のファッション関係者&ファッション好きの注目が集まっていたのではないでしょうか。 華々しいファッション業界といえど、これほどドラマチックで大きなトピックスはそうそうありませんか、野次馬根性で見守っていた人(私を含む)も大勢いたに違いありません。 蓋を開けてみればガリアーノによるマルジェラ、長年のマルジェラファンの方には複雑な思いもあるのかもしれませんが、大成功だったと言っていいのではないでしょうか。 個人的な感想としては、さすがガリアーノ、モード界の安打製造機。 マルジェラファンが求めるマルジェラらしさとガリアーノ本人の芸風をきれいにまとめてきたなあという印象です。 気になるのが今回のショーで、ガリアーノが以前のような変な格好(→これはまだましな方)でランウェイに姿を現したのかどうかですね。 マルジェラはデザイナーが前面に出てこない芸風のブランドですから、出たがりのガリアーノもさすがに我慢しただろうと思うんですが。 現時点ではショーの動画が出てきていないのでまだ何とも言えませんね。 でも、最近のコレクションではマルジェラとしては異例なことにデザイナーがランウェイに登場していたような記憶もありますし、マルジェラがずっと大事にしてきたデザイナーの匿名性も緩やかになってきている様子。 ガリアーノのようなこのうえなく目立つ人物を迎え入れたのも、方針転換のあらわれでしょうねえ。 次回は3月にパリでマルジェラのウィメンズのコレクションが公開されますので、たとえ今回は無理でもそのときには以前と変わらぬガリアーノの奇天烈な扮装を目にすることができるかもしれません。 |
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