《森 光年》
先日、近所のコーヒー店でオーナーの小学生のお孫さんと話をしておりまして。 彼は学校の図書室にある神話の本を読破するほどの神話好きとのこと。 しかも、比較神話学など知らないだろうにイザナギの冥界下りとギリシア神話のオルフェウスの物語との共通点を指摘するなど、末頼もしいことこのうえない。 うれしさのあまり私もつい白熱してしまい、オルフェウス→世紀末芸術の流れで洗礼者ヨハネのエピソードを熱く語ってしまいまして。 熱心に聞いてくれた彼ですが、愛する人が自分のものにならぬならせめてその生首を…というサロメの情念、小学生にはどう感じられたのでしょう。 変なトラウマになってやしないかと心配です。 あと、戯曲ではヨハネに恋をしたのはサロメってことになってるけど、原典ではサロメの母親なんだよ、というあたりの説明もしておいた方がよかったのかもしれません。 そんなわけで森光年なんですが、今期のファッションウィークが終わってけっこう経つものの、中小ブランドのコレクションの発表はまだまだ続いております。 そんな中から、いいなと思ったものをいくつか。 まずはなんといっても『ジーン ジニー アンド ハングリー フリークス、ダディー(jean genie & hungry freaks, daddy)』。 2014年のTokyo新人デザイナーファッション大賞を受賞したデザイナー 尾崎俊介のブランドです。 【jean genie & hungry freaks, daddy 2015-16 Autumn Winter (Fashionsnap.com)】 ドイツのなんとか工学をベースにしたなんとからしいですが、うんちくはともかくシルエットがいい! まるで服が生きているかのような躍動を感じます。 ウィメンズだけの展開のようですが、将来的にはぜひメンズも手掛けてほしいですねえ。心から着たいと思える服。 それにしてもジーン ジニー アンド ハングリー フリークス、ダディー…って名前が長い! しかも印象に残りにくい! おなじ長ったるい名前のブランドでも、ダイエットブッチャースリムスキンなんかは一発で覚えてしまうインパクトと妙に口に出したくなる中毒性を兼ね備えたナイスネーミングですけど、ジーンジニー(以下略)のほうはいまいちですね…
そのほかにも、尾関ゆうの『ユウオゼキ(you ozeki)』や松下祥子の『ドレスアンドテーラー(Dressandtailor)』など、若い東京ブランドがシックできれいな服を発表していて印象的でした。
【you ozeki 2015-16 Autumn Winter (Fashionsnap.com)】 【Dressandtailor 2015-16 Autumn Winter (Fashionsnap.com)】 しかし、こうして並べてみるとあらためてコンサバな服が多い印象ですね。 今期はパリやニューヨークでもそういう傾向があったようには思いますが、東京はとくにファッションの保守化が顕著なような。 コンサバ大好きな私としてはウハウハではあるのですが、反面、若いブランドにはもっと冒険してほしい気持ちもあり複雑です。 とはいえ世間同様にファッション界も厳しい今の時代、そうも言ってられないのでしょうね… フィルメランジェの元デザイナーが立ち上げたばかりで最旬の注目ブランド『オーラリー(AURALEE)』も、流行りのアウトドアのテイストは入ってますがコンサバ傾向で。 【AURALEE -Men's- 2015-16 Autumn Winter (Fashionsnap.com)】 フィルメランジェは上質なカットソーが大人気のブランドで、もともとこういうテイストですから一貫してはいますが。 ちなみにこのオーラリー、この春から流通がスタートして各ショップにならび始めたとのことで、大阪は堀江のBIOTOPに見に行ってみたところ、すでにウィメンズのタンクトップしか残っていませんでした! 人気ありすぎ。 |
|
|
| 最初のページ |
|