《森 光年》
遅まきながらよやく今週末、神戸市立博物館でおこなわれている『チューリヒ美術館展』に行って来ようと思います。 印象派や抽象芸術、シュールレアリズムなどを中心に、すべての展示物がメインディッシュといってさしつかえないほど豪華なラインナップのこの展覧会。 印象派やピカソの作品はまあ、なんやかんやで見る機会がけっこうありますが、抽象芸術やシュールレアリズムの巨匠の作品って意外に実物に触れる機会が少ないですからねえ。 これは見逃せない! と興奮してこのブログの記事にもしたのが昨日のことのようですが、あっという間に三か月が経過。ようやく重い腰をあげることにいたしました。 お隣さんの大阪在住でありながら、恥ずかしながら神戸はたぶん十数年ぶり。 あのころとは町もずいぶん変わったでしょうし、歳をとったぶん私の感じ方も変化していると思いますので、散策するのがとても楽しみです。 ちなみに神戸市立博物館の他に、北野にあるパティスリー『ラヴニュー』にはぜひ立ち寄りたいと思っています(駅を挟んでまったくの逆方向ですが…)。 パリのチョコレートのコンクールで優勝したという輝かしい経歴のシェフのお店で、百貨店の催事で何度かチョコレートや生菓子を購入しましたが、どれも絶品でした。 そんなわけで森光年なんですが、チューリヒ美術館展にもようやく行こうという状況だというのに今度は東京の国立新美術館で現在おこなわれている『ルーヴル美術館展』と『マグリット展』が立て続けに関西にやってくるようです。
このところ美術界隈の動きが活発で、うれしい悲鳴をあげたくなりますね。
シュールレリズムの巨匠ルネ・マグリットの作品はチューリヒ美術館展のほうにも来てますから、日本列島はいま未曽有のマグリット濃度。 一年のうちにこんなにマグリットの絵を見る機会なんて、一生に一度あるかないかではないでしょうか。 ルーヴルの方がまたすごくて、初来日というフェルメールの『天文学者』がかろうじて目玉になっているくらいで、あとは壮絶に地味なラインナップ! 図像学の説明でしょっちゅう出てくるけど実物を見る機会などめったにない(べつになくてもかまわない)ボージャンの『チェス盤のある静物』とかいぶし銀すぎてヤバい! 画面内に配置された物品がそれぞれ人間の五感をあらわすとか、楽器と真珠の組み合わせが高級娼婦をあらわすとか、さまざまに解釈されるこの静物画。 享楽をあらわす物品が下方に配置されているのに対し、キリストの象徴であるパンとワイン、純愛を意味するカーネーションは上方に配置され、しかも光が当たっている、つまり肉欲を遠ざけキリストの教えに立ち返れという寓意である、なんて説明も聞きますね。 でも実際どうなんでしょうかねえ。私にはパンとワインと花にだけ特別に光が当たっているようには見えないんですが。 しかも、ワインは「味覚=現世的な快楽」の象徴と解釈されたりすることもありますし。キリストの象徴なのかそうじゃないのかはっきりしてほしい。 さておき、ルーヴル美術館展は2015年6月16日(火)-9月27日(日)、マグリット展のほうは2015年7月11日(土)~10月12日(月・祝)。 どちらも平安神宮の近くの京都市美術館でおこなわれるそうで…って、おい! 東京でも国立新美術館で両方やっているとはいえ、関西でも京都市美術館で同時開催なんですね。 ルーヴルもマグリット展もたしかにやや地味目とはいえ、せっかくの大きな展覧会なんですからどちらか片方ぐらいは大阪に分けてくれてもいいのに… 前にも書きましたが、人口あたりの美術館の数が全都道府県中でワーストのわが大阪府。 誰かさんが行政のトップになってからというもの大きな展覧会が開かれたという記憶がありませんし、なんともさびしいかぎりです。 |
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