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イージス艦
《風見鳥 渡》
日本が開発中の次期主力戦車の話をしようと思っていたら、イージス艦が漁船とぶつかってアワワになっていた・・・。最新鋭の戦闘艦に一体なにが起こった!? みたいな見出しをテレビのニュースか新聞で見ましたが、こういった事故が起こっても別に不思議ではありません。というのも、SPY-1と呼ばれるレーダーのお化けみたいなものを搭載しているイージス艦ですが、そのレーダーは漁船のような海の上の小さなものを見つけるのが苦手です。というか他の戦闘艦も実情は同じ。なぜかというと、水面とかその波とかがレーダーに映りこんでしまい、海上に浮かぶ小さな漁船はそれにまぎれて見えにくくなってしまうからです。ましてや水平線の向こう側なんてまったく見えません(だから戦闘艦を主目標とするF-2支援戦闘機は、その艦艇の弱点を突くために低空から進入出来るよう設計されているわけです)。なので、新鋭艦といえども人員を配して見張りを立てる必要があるわけですが、漁船の発見が遅れて事故に繋がったのでしょうか? そのへんどうなっているのか続報が待たれるところです。
ついでですから知らない人のためにイージス艦について説明しちゃいましょうか。
イージス艦とは、敵の攻撃機やミサイルの脅威から、艦隊(特に攻撃の要である空母)を守るために存在している艦艇です。まあいろいろ融通が利いてしまうので、様々な事に便利に使われちゃってますが、基本的には防空艦です。この船が誕生するキッカケになったのは、旧ソ連のドクトリン(戦闘教義)に、「飽和攻撃」と呼ばれるものがあったからです。これは、沢山の攻撃を、しかも同時に行なえば相手の防御能力を超えて攻撃を当てることが出来るだろうという考えに基づいた戦術です。
当時のアメリカは頭を抱えました。これに対抗できる手段を持ち得なかったからです。
そうして、高い防空能力をもつ戦闘艦を作る必要性に駆られたアメリカが造りだしたのが、通称イージスシステムと呼ばれる機能を搭載したイージス艦でした。
イージス艦の特徴は大きく分けて四つあります。360度全域を常に監視し、遠くを見る事が出来る四つのSPY-1レーダー。そのレーダーによって可能となる、遠くの敵を正確に探知できる索敵能力と、複数の敵をロックオンし、攻撃できる能力。またイルミネーター(ミサイル誘導装置。通常この装置の数によってミサイル発射数が制限される)に依存しないため、多数のミサイルを発射し、誘導出来ることからその性能を十分に生かすために連射が利く垂直発射装置、通称VLSを装備し、また理論上ほかの船から発射したミサイルも誘導が可能。そして、リンクシステムによって他の艦艇や空自などからの情報を統合し高度な情報処理を行なうことができ、最適な攻撃を迅速に行なえます。
これらの能力によって、イージス艦は高いレベルの防空能力を得るに到りました。
が、ソ連は崩壊してしまいました。日本やアメリカに対して「飽和攻撃」なんていうブルジョワ攻撃を仕掛けられる国はいなくなってしまいました。そうなるとイージス艦は性能過剰で費用対効果の悪い船でしかなくなるわけですが、近年、その高い情報処理能力と優れたレーダーによって、弾道ミサイルを迎撃するMD構想の柱の一つとなりました。守る対象が、艦艇はもちろん国そのものに広がったわけです。
イージスシステムは、日本では日本独自に改良を施した「ミニ・イージス」が現在建設中のヘリ搭載護衛艦「ひゅうが」や、量産型である、現在計画中の新型の汎用護衛艦に搭載する予定があり、まだまだこのシステムは活躍するようです。

雑記 | 2008/02/20(水) 23:50 | コメント(0) | トラックバック(0)
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