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David Bowie 『Blackstar』ほか
《森 光年》
世界各地のファッションウィークの本格始動を前に、いろんなブランドがメンズのコレクションを発表しております。
私の好きなデザイナー森下公則もメンズを発表したのですが。

【08sircus Men's 2016-17 Autumn Winter(Fashionsnap.com)】

なんというか、良いんですけどシンプルで保守的な方向に近年シフトしちゃったなあと。
森下公則はパリでコレクションを発表したりもしていた一流デザイナーで、エレガントな中に男の子のロマンを盛り込む夢見がちな人でした。
けっこう前にユニクロとコラボしたことがありましたが、そのときはミリタリー系のアイテムを上品に再構築したものを中心に展開してましたね。

そんな感じでずっとメンズ一本やりで来ていた森下公則ですが、最近ウィメンズも手掛けるようになり、またこのウィメンズが大好評で一気に業績が上がったそうなんですね。

そうなってからどうもメンズの方が女性受け重視というか、ミリタリーだのワークだののマニアックなディテールがなりをひそめたような。
森下公則の服を愛好する女性が「これ、彼氏(or旦那)に着てほしい!」と思うようなコンサバな方向にシフトしているような気がしてならんのです。

案の定、同時に公開されたウィメンズのコレクションはメンズとは対照的にすごい攻めた感じ。

【08sircus Women's 2016-17 Autumn Winter(Fashionsnap.com)】

寂しいですが、これも生き残りのためには仕方のないことなのでしょうか…


そんなわけで森光年なんですが、今回はボウイさま最後のアルバム『Blackstar』から、表題作のPVをご紹介いたします。
アルバム『Blackstar』は闘病生活の中で制作され、日本版は亡くなる数日前というタイミングでリリースされました。


David Bowie - Blackstar



静謐にして陰鬱、瞑想のように内省的。偉大なアーティストの遺作にふさわしい、10分にもわたる大作です。
自身の最期ですらこんなにも荘厳に演出してみせたボウイさま。
彼はデヴィッド・ボウイという巨大なスターを生涯にわたって演じ続けた人だったのだなと、つくづく思い知らされます。

PVの冒頭は月面のような場所で宇宙服を着たミイラが見つかるという、SF小説『星を継ぐ者』のような場面から始まります。
これは1969年のボウイさまの初期作、『Space Oddity』へのオマージュでしょうね。
 
David Bowie- Space Oddity Original Video (1969)



宇宙飛行士のトム少佐なる人物が「地球は青い…だが私にできることは何もない」とつぶいて宇宙の彼方へ消え去ってしまうという『Space Oddity』。
アポロ計画が成功に近づく一方、アメリカの若者たちが厭世ムードにさいなまれ、ヒッピームーブメントが広まっていた時代の空気を反映した作品です。

『Blackstar』のPVの宇宙飛行士のミイラはこのトム少佐のなれの果てなんでしょうかね。
胸にヒッピームーブメントを象徴するスマイルマークがついてますし。

ちなみにトム少佐は1980年の曲『Ashes To Ashes』にも出てきまして。


David Bowie - Ashes To Ashes



こちらでは、どこか高いところに吊るされて打ちのめされ続けているというトム少佐から便りが届きます。
この曲ではトム少佐はジャンキーだと揶揄されたり、何事か成そうと思えばトム少佐のようなやつと付き合ってはならないとママに言われたりとさんざんな扱い。
ちなみにこの『Ashes To Ashes』は私の一番好きなボウイさまの曲です。

『Space Oddity』ではまだグラムロックと出会う前の、いかにもブリティッシュロックっぽい曲調でしたが『Ashes To Ashes』はファンクと電子音楽をミックスしたような曲調。
ボウイさまがブラックミュージックにかぶれ、プラスティックソウル(白人である自分のソウルミュージックは所詮まがい物である、という含意から)を標榜していた時期と、ブライアン・イーノと組んで実験的音楽に手を染める時期の中間ぐらいの時代ですね。

このように時代の空気に鋭敏に感化され、その音楽性を変化させていくところがボウイさまの最大の魅力。
みなさまも是非、いろんな時期のボウイさまを聴いてみてお気に入りの一曲を見つけてください。
 

雑記 | 2016/01/28(木) 21:56 | コメント(0) | トラックバック(0)
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