《森 光年》
ニューヨーク~ロンドン~ミラノときて、いよいよ今期のファッションウィークもパリを残すのみとなりました(え? ああ…ありましたね、東京…)。 ここまでチェックした中では、昨年新しいディレクターのアレッサンドロ・ミケーレが就任したばかりのグッチが一番良かったですね。 Gucci | Fall Winter 2016/2017 Full Fashion Show | 昨今のトレンドであるタッキー(下品な、悪趣味なというような意味)スタイルに、アジアの民族衣装をサンプリングしたような意匠でアプローチするというクールすぎる切り口! グッチの古いバッグがそのまま衣服になったような、お上品かつ悪趣味なスタイルも強烈ですね。 アレッサンドロ・ミケーレがディレクターになって以降、業績も好調なようで。 毎シーズン似たり寄ったりなセクシー&ゴージャス路線だった前任者のフリーダ・ジャンニーニが退任してくれて本当によかったですね。 ミケーレはジャンニーニ時代のグッチで働いていたそうですが、あんな前任者の元でよくぞこれほどの才能が育ってくれたものです。 それにしても、ショーの最後に出てきて、変な髪形と変な服装で悠然とランウェイを歩き切ってしまうミケーレのキャラクターが強烈。 挨拶に出てきたデザイナーはすぐに引っ込んでしまうのがモードのショーの定番なのですが、この男は前回のショーでもその場に突っ立ったままなかなか帰ろうとせず、観客たちを戸惑わせていました。 そんなわけで森光年なんですが、以前に話題にしたカニエ・ウエストのニューアルバムの情報が古くて間違っておりました。申し訳ございません。 まずアルバムタイトルですが、当初、『So Help Me God』と発表されていたものが『SWISH』となり、さらに先月のNYファッションウィークで発表会が行われる直前、『WAVES』と改題されたのは以前お伝えしたとおり。 ですが、いざ発表という段になってまたもや『The Life of Pablo』に変更されたそうで。なんというか、いいかげんにしてほしいものです。 で、この『The Life of Pablo』ですがCD等での販売はいまのところ発表されておらず、デジタル配信のみ。 しかもカニエの師匠であるジェイZが所有する音楽配信サービス『TIDAL』のみでのリリースだそうで。TIDALのサービスは日本向けに正式対応してないようなので、国内でカニエのアルバムを購入することは今のところ困難という状況ですね。 海外ではセレブでも日本では無名に等しく、国内の音楽マニアにはそっぽを向かれているカニエですから日本市場な最初から眼中にないのかもしれませんが、いちファンとしてとても残念に思います。 ちなみに、アルバム発表後のカニエはというと「60億円の借金がある」とカミングアウトしたり、ニューアルバムの収録曲でテイラー・スイフトを侮辱して怒りを買ったりと相変わらず世間を騒がせております。 あと、1月には二人目のお子さんも生まれたそうで。おめでとう、カニエ!
期せずしてカニエとグッチの話題が並びましたが、カニエが初期の曲『Touch The Sky』の中で、自分が売れる前の時期(おそらく2000年前後)を指して「グッチが超人気だったころ」と表現していたのは以前にもお話したとおり。
Kanye West - Touch The Sky (Live from The Joint) ラグジュアリーブランドが軒並み低迷していた90年代初頭、グッチは気鋭のデザイナーであるトム・フォードを起用したことで一躍クールなブランドに返り咲きました。 カニエが言及しているのはまさにこのトム・フォードの在任期。 2004年にトム・フォードがグッチを去ってからは、弟子であるフリーダ・ジャンニーニが後を引き継いだわけですが、前述のように馬鹿の一つ覚えのようなコレクションを繰り返すジャンニーニによってまた「グッチ=ダサい」というイメージが定着してしまった感がありました。 アレッサンドロ・ミケーレという新たな才能によって、グッチがまたトム・フォード時代のような黄金期を迎えるのではないかと期待しています。 モード界にあまりいいニュースのない昨今、胸躍らせてショーを見られるブランドがひとつでもあるというのはなんと素晴らしいことでしょう。 |
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