《森 光年》
繁忙期もようやく峠を過ぎ、余暇を楽しむ余裕も出てまいりました。 先週末は大阪は東心斎橋のなじみのバー『UMEYA』でジャンパンカクテルフェア。 シャンパンカクテルが何でも900円(フレッシュフルーツを使ったシャンパンカクテルは1000円)という驚異的なフェアでございました。 急遽決まったフェアのため、みなさまに事前にお知らせできずほんと申し訳ない。 フェアの知らせを聞いてまさかそんなことはないだろうと思っていたのですが、文字どおりシャンパーニュを使ったカクテルのフェアでびっくり。 シャンパンカクテルといってもふつうはイタリアあたりのスプマンテだかプロセッコだかを使うものですが、本当にシャンパーニュとは。 フランスには産地呼称制度があるため、シャンパーニュ地方で一定の条件を満たして作られたもの以外はシャンパン(シャンパーニュ)を名乗れないのですね。 日本でもいつだったかどこかのホテルがシャンパーニュでないものをシャンパーニュと称して提供していたことが明るみに出ましたが、それってじつはすごく重大なことなのです。 なんといってもシャンパーニュとただのスパークリングワインではお値段に雲泥の差がございますからね。もちろん味も。 そんなわけで本物のシャンパーニュを使ったカクテルというふつうはもったいなくてできない贅沢を格安で楽しめるフェアだったわけで。 ベリーニ(桃のピューレとスパークリングワインのカクテル。ヘミングウェイも通ったイタリアのバーが発祥)や午後の死(パスティスをシャンパーニュで割ったヘミングウェイ発案のカクテル)などを楽しんでおりました。 するとどうでしょう、常連が集まって和気あいあいシャンパンカクテルを楽しむ様子に興が乗ったのか、マスターがとんでもない暴挙に出ました。 冷蔵庫の奥に秘蔵していた某高級シャンパーニュをおもむろに取り出すと、某高級ブランデーと合わせてカクテルを作り出したのです! ブランデーにレモンジュース、シロップを加えてシェイクし、シャンパーニュで満たす。フレンチ125と呼ばれるカクテルですがこんな贅沢な材料で作られることはまずないでしょう。 なにしろセレブの世界を牛耳る世界的コングロマリットであるLVMH(ルイ・ヴィトン モエ・ヘネシー)グループの後ろの二文字がブレンドされているわけですから。 そうして作られたスペシャルなフレンチ125。とてつもない美味さでございました。 単体でも十二分に主役を張れるMとHがまったく喧嘩することなく、完璧な融合を果たしてまったくあたらしい酒に生まれ変わっているのです。 その場にいた常連全員、この美酒には声を失いました。まさしく飲む宝石。 冒頭にも書きましたが、このとんでもない催しをみなさまにお知らせできなかったのは痛恨の極み。 さすがのUMEYAマスターもこれほどの出血大サービスはしばらくはやらないと苦笑いしておりましたが、またこのようなことがあるときには必ずや事前にお知らせしたい所存です。 |
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