《森 光年》
台風のおかげでいつまでも蒸し蒸しと暑苦しいですが、ともかく秋。マティーニやなんかの美味しい季節がやってまいりました。 先日は大阪は東心斎橋のなじみのバー『UMEYA』にフランス産のベルモットが入荷しておりまして。 ベルモットはマティーニには欠かせない(?)リキュールで、白ワインにハーブやスパイスを浸漬させたもの。 辛口のドライベルモットはフランス発祥、甘口のスイートベルモットはイタリア発祥…ではあるものの、バーでよく見かけるベルモットはドライもスイートもイタリア産が多いですね。 つまりフランス産のドライベルモットといえばドライベルモットの元祖。これはドライベルモットを使った代表的カクテルであるマティーニを飲まない手はありません。 そんな私のオーダーに対し、UMEYAマスターが取り出したのはエギュベル・ジン。フランスの修道院で作られている香り豊かなジンです。 フランス産のベルモットにフランス産のジン! これで美味しくないわけがありません。 出来あがったリンスマティーニは、華やかで、豊かで、しかし少々ひねくれていて、これぞフランスという極上の美酒。 マティーニには100を超えるというバリエーションがあり、マティーニ好きでもの好みは千差万別ではありますが、私にはフレンチベルモットとエギュベル・ジンの組み合わせが最強かもしれませんね。皆さまお試しあれ。 ただ、フレンチベルモットとエギュベルを置いてるバーなどめったにないところが難点ですが… そんなわけで森光年なんですが、ファッションデザイナーのトム・フォードが監督第二作目となる映画『Nocturnal Animals』のPVを公開しております。 NOCTURNAL ANIMALS - Official Teaser Trailer
トム・フォードは90年代にグッチのディレクターに抜擢され、傾きかけていたブランドを立て直してモード界の頂点に押しあげた人物。
00年代半ばにグッチを辞してからは自身の名を冠したブランドを立ちあげ、ウィメンズの高級服だけでなくメンズのスーツやアイウェアも好評を博しております。 日本でもトムフォードのアイウェアは広く一般浸透していて、高級サングラスの代名詞の座をレイバンから奪いつつある感すらありますね。 また、スーツに関してもダニエル・クレイグ版の007シリーズでジェームス・ボンドの衣装に採用される(『慰めの報酬』以降)など、高級紳士服としてたしかな地歩を確立しております。 このように、ファッションデザイナーとして考えうるかぎりの栄光を獲得しており、ついでに言えばモデルか俳優でも通りそうなほどの美貌の持ち主でもあるトム・フォード。 そんな彼が映画『シングル・マン』で監督デビューを果たしたのが2009年のことでした。 名優コリン・ファースを主役に据え、パートナーを事故で喪ったばかりの同性愛者の大学教授が「今日を最後に自殺する」と決意して過ごす一日を描いたこの映画。 批評家筋から高評価を得ただけでなく、本作品をきっかけにコリン・ファースは『英国王のスピーチ』の主演に抜擢され、アカデミー主演男優賞ほか数々の賞に輝くことになったという記念碑的作品です。 その後のコリン・ファースの活躍、とくに『キングス・マン』での気品ある暴れっぷりに胸躍らせた方も多いかと存じます。 そんな『キングス・マン』のコリン・ファースも『シングル・マン』あったればこそ! と言い切ってしまっても過言ではないでしょう(過言です)。 さておき、デザイナーとしても映画監督としても才能あふれる完璧超人のトム・フォード(しかもイケメン)ですが、最新作『Nocturnal Animals』のジャンルはミステリーとのこと。 PVから垣間見えるのはトップデザイナーならではの美しい色彩で構築された世界、そして不穏な空気。 ファッション好きとしては衣装、とくに男性のスーツの美しさに目が行きますね。 前作『シングル・マン』ではトムフォードの既製の服ではなく、映画用に新たにデザインした服を衣装に仕様したそうですが新作もそうなのでしょうか。 今作でトム・フォードはヴェネツィア国際映画祭審査員大賞を受賞したそうで、日本での公開が待ち遠しいですね。 『シングル・マン』のときは海外での公開から遅れること1年、しかも大阪では一館のみの上映というひどい扱いでしたが… |
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