《森 光年》
先週の土曜はイギリスの女王公式誕生日(Queen's Official Birthday)でした。 面白いことに、英国では国王の誕生日が何月であれ(エリザベス女王は4月)、6月に盛大なお祝いをすることになっています。 17世紀のジョージ2世王が寒冷な11月生まれであったため、温暖で気候も穏やかな6月に祝祭を開いたのが始まりだそうな。 庶民とはちがった生活を強いられるのが王たる者の定めとはいえ、自分の誕生日でもない日を全国的に祝われる気分はどんなものなのでしょう。 公式誕生日には騎馬隊による行進の他、航空ショーも行われます。下のリンクは今年の同イベントのライブ中継の録画です。 三時間超の長い動画ですが、英国らしい牧歌的でロイヤルな雰囲気を味わえますので、どうぞ作業用BGMがわりにでも。 【Trooping The Colour Parade To Mark The Queen's Official Birthday & Other Celebrations | LIVE | TIME (YouTube)】 そんなわけで森光年なんですが、個人的に女王陛下の誕生日でない日をお祝いすべく、毎度おなじみ大阪は谷町六丁目の『トリントンティールーム』へ出かけてまいりました。 ![]() ![]() 北浜の明治時代の建物をセルフリノベーションした『北浜レトロ』等々、大阪で英国を感じられるスポットは数々ありますが、私にとってはなんといってもトリントンですね。 住宅街の裏路地に突如として登場するロンドン風の店構え。アンティーク家具で彩られた店内も抜群の非日常感です。 ![]() この日いただいたのはトリントン名物ビッグスコーンのクリームティー。 クリームティーとは英国の定番である紅茶とスコーン、クロテッドクリーム(温めた牛乳の表面にできる膜を集めたクリーム)とジャムのセットのことです。 紅茶はウィリアムソンのケニアンキャラバン。高地栽培のケニアの茶葉を松葉で燻したラプサンスーチョンに、オレンジやリコリスの香りがついています。 ほうじ茶にも似た独特の香りとは裏腹に、飲み口はくせがなく甘くさわやか。とても夏向きのお茶でした。 余談ながら、スコーンにクロテッドクリームとジャムどちらを先に塗るかについては二つの流派がありまして。 クリームを先に塗るのがデヴォン州式、ジャムを先に塗るのがコーンウォール州式です。 クロテッドクリームの産地であり対抗意識の強いデヴォンとコーンウォールの人々にとってこの問題は譲れない一線だそうで。 キャメロン前首相がデヴォンのティールームでクリームとジャムの上下を誤り、あまつさえ「どっちでも味は一緒だし」と弁明したことで両州から非難されたこともあるとか。 この日はなんとなくコーンウォール式にしてみましたが、みなさんもスコーンにクリームとジャムを塗るときはこのことを意識してみてはいかがでしょうか。 きっと目の前にデヴォンとコーンウォールの豊かな酪農地帯の景色が広がってくる……かもしれません。 |
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