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お茶と菓子の日々
《森 光年》
唐突ですが、先日ご近所のパン屋さん『アップルの発音』で撮ったアンパンの写真をご覧ください。

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以前の記事の写真では長時間の持ち運びで形が崩れてましたが、今回はほっこりとまん丸な姿が撮影できました。
小さく描かれたスズランが愛らしい19世紀末のリモージュの皿とあいまって、なんとなく春らしい雰囲気ですね。

紅茶はキャンベルズのパーフェクトティー。黄色い缶が目印のアイルランドのメーカーで、茶葉はケニア産です。
とても濃厚で、香りよりもどっしりとした苦みが主体。
ですがミルクを入れるとふわりと茶葉の香りが立ち、紅茶らしさを堪能できます。

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お店のカウンターの上には幸せそうな寝顔の赤ちゃんのフェーブが。

フェーブとはキリスト教の新春の行事エピファニー(公現祭)のお菓子ガレット・デ・ロワに入れられる陶製の人形です。
切り分けたガレット・デ・ロワにフェーブが入っていた人は紙製の王冠を被り、その日の王様として君臨するとか。


そんなわけで森光年なんですが、ガレット・デ・ロワの話題が出たのでせっかくだから最近食べたフランスのお菓子をご紹介します。

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まずは大阪はキタの扇町の名店『ラヴィルリエ』
冬の寒い時期になると恋しくなる古典菓子、フォレ・ノワールです(ちょっと季節はずれですが)。
フォレ・ノワール。フランス語で「黒い森」。
ドイツ由来の菓子で、あちらでは「シュバルツヴェルダーキルシュトルテ」という中二感あふれるネーミングです。

カカオのスポンジとキルシュ(さくらんぼ酒)入りのクリームで雪の積もった黒い森を表現したケーキで、表面には枯葉をかたどった薄いチョコレートを配します。
ですが、ラヴィルリエのようにクリームの上にチョコレートの層を重ねるバリエーションも多いですね。

ドイツやウィーンの菓子の本分は、しっかりとした生地を引き立てる隠し味程度の果実の酸味。
華やかなフランス菓子とは対極にある概念ですが、そこはさすがに凄腕のラヴィルリエ服部シェフ。その妙味を見事に捉えています。

大人気の店だけに二人掛けのテーブル二つのイートイン席は競争率が高く、ひさしぶりに座ることが出来たのですが、いつもシンプルな白いものだったケーキ皿が雰囲気のある焼き物に変わっていてびっくり。
シェフの故郷の美濃焼だそうで、郷土愛を感じますね。
繊細な菓子の造形と陶器の黒い肌が美しいコントラストをなしています。

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お次は大阪は本町の靭公園『レ・プティット・パピヨット』。フランス人シェフのショコラトリーです。
ご覧のとおり、ミカンをかたどったミカンのコンフィチュールのケーキ。可愛いです。

オランジュでもオレンジでもなく「ミカン」と表記してあったので日本のミカンを使っているんでしょうか。
柑橘の味わいがとてもやさしくて美味しい。癒されました。

やわらかそうな見た目に反し固いチョコの層で出来た表面を割り、柑橘の香りがしっかり染みこんだ中のスポンジと一緒に口に運ぶ。
その体験が楽しくて美味しい。お菓子っていいなと感じます。

ミカンの葉っぱは抹茶のショコラなのですが、つやつやした質感がリアルで本物の植物かと思ってしまいました。
こういう妙なところに手を抜かないのがフランス人ですね。
そしてシェフのテディさんの抹茶使いはいつも抜群!
和らげることなくお茶の風味をフルに引き出し、野趣を味あわせてくれます。

日本人シェフによるフランス古典菓子とフランス人シェフによる創作菓子。どちらも素晴らしい美味しさでした。
みなさまもぜひ足を運んでみてください!

雑記 | 2019/02/26(火) 22:24 | コメント(0) | トラックバック(0)
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