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京都・亀屋清永と長楽館
《森 光年》
先日、不意に思い立って京都へ出かけてまいりました。

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電車で一時間半、料金は600円ちょっと。
気軽に行けるとなると逆にあんまり行かないもので、いつ以来か思い出せないぐらいひさしぶりの京都。
のぺっとした低い山々が連なる遠景を眺めていると、あー京都に来たなという気がしていいですね。

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八坂神社の石段前、老舗の和菓子屋さん『亀屋清永』
こちらに珍しい古い形のお菓子があるとSNSで知って訪問いたしました。

親切なご主人がいろいろと説明してくださり、写真撮影にも快く応じてくださったうえ試食のお菓子まで勧めてくださいました。
旅先(というほど遠くもないですが)で人様の親切に触れることのありがたさが心に染み入ります。

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こちらがそのお菓子『清浄歓喜団』です。
密教の供物に起源を持つという唐伝来の珍菓で、七種の香を練りこんだ餡を皮で包み、胡麻油で香ばしく揚げてあります。

表面はかなりの硬さなのでそのままかぶりつかず、袋の口状になった先端部を千切り取ってから、中身を押し出すイメージで底を強く押しバラバラに砕くのがご主人公認の正式な食べ方だそうです。

口に入れるとお香と胡麻油の香りが複雑に匂い立ちます。
朴訥そうなご主人は「好き嫌い分かれますけどねぇ」と苦笑いしておられましたが、これは私の大好きな味!
香辛料を多用するヨーロッパの伝統的なお菓子を思い起こさせる味なんですよね。クリスマスプディングとか。

この清浄歓喜団に小豆の餡が使われるようになったのは江戸時代からだそうで、それ以前は栗、柿、あんず等に薬草で香りをつけて中身にしていたとか。
これって英国のクリスマスの伝統、ミンスミート(ドライフルーツに香辛料で香りをつけラムやブランデーに漬け込んだもの)に似てますね。
洋の東西を隔てて同じような感性があったことを不思議に、また面白く感じます。


そんなわけで森光年なんですが、今回の小旅行の目的は以前からちょっと気になっていたカフェを訪問することでした。

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八坂神社の裏手、円山公園の一角にたたずむこの趣き深い洋館が目的地の『長楽館』です。
実業家・村井吉兵衛の屋敷として明治時代に竣工され、現在はホテルとして営業。
フレンチレストランやカフェなどが併設されています。

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なんといってもこの優雅な雰囲気でお茶できるんですからたまりません!
しかも客席が150もある大容量なので、三時のお茶の時間にもかかわらず最初の15分はこの部屋は私の貸し切り状態。
存分に撮影が出来ました(その後はすぐ満員になりましたが)。

客室として使われている部屋は6~7室あるようで、それぞれに装飾のテイストに違いがあります(詳しくは公式サイトの館内案内をご参照ください→こちら)。
なんといってもすごいのは、アフタヌーンティーのお客さん専用のロココ調の部屋『迎賓の間』ですね。

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定番のクリームティー。
ホテルのカフェとなればお値段が気になりますが、紅茶は1ポット800円~、スコーンは600円。あとは消費税のみでサービス料はかかりません。
このロケーションとホテルならではの接客を考えると超良心的ですね。
都市部の高級ホテルのラウンジだと、紅茶1ポットだけでもこれぐらい行きますから…

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館内どこにレンズを向けてもフォトジェニックすぎて、ご紹介しきれないぐらい撮りまくってしまいました。
どの客室も素敵な雰囲気で、今度はぜひまた別の部屋でお茶してみたい!

それと、後で気づいたんですが元書斎を改装した素敵なバーもあるようで(→こちら)。
しかもマデイラワインをメインにしているという趣味性の高さ!
ぜひ今度は一杯やりに行きたいものです。

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いい感じに光が差し込んでいた部屋の一角にわざとらしく紳士セットを配置してヴィクトリアンな一枚を撮影。
廊下ですれ違ったお若いカップル方に「英国紳士やねw」「ほんまやw」と笑われてしまいましたが、こんな場所で現代的な格好をしているあなた方の方がミスマッチなのでは?

そんなわけで長楽館、ちょっと意味が分からないぐらいヤバすぎました(語彙力が崩壊)。
皆さまも是非に!

雑記 | 2019/03/27(水) 21:17 | コメント(0) | トラックバック(0)
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