《森 光年》
去る6月10日は英国エリザベス女王の夫君、エディンバラ公爵フィリップ王配殿下の誕生日。
今年4月に急逝されなければ100歳になられるはずでした。
公爵のお眠りの安らかならんことをあらためてお祈り申し上げます。

そして6月12日は英国君主の公式誕生日!
18世紀の英国王ジョージ2世の誕生日が寒冷で天気の悪い11月だったため、6月にパレードが行われたのが慣例化した行事です。
今年も去年と同様、ロンドンから疎開している女王陛下の居城であるウィンザー城で軍事パレードが催されました。
↓は英公営放送BBCによるライブストリーミングのアーカイブです。
1時間18分付近、色鮮やかな雲を曳いて青空を横切る空軍機に女王陛下も思わず無邪気な笑顔。
例年であればこの光景をバッキンガム宮殿のテラスでロイヤルファミリー勢ぞろいで見あげるのが恒例なんですよね…
その他にもG7サミットに参加した各国首脳がコーンウォールで女王陛下に謁見したり、キャサリン妃がバイデン大統領夫人と交流したり…
王室関連がとても忙しい一週間でしたね! 目がまわりました!
そんなわけで森光年なんですが、大阪の地下鉄谷町線谷町四丁目駅と天満橋駅の中間ぐらいの位置にあるティールーム『ボトルオーブン』(→Twitter)でお茶してまいりました。

このご時世なので自転車で行ける範囲のテラス席を利用するよう心掛けているんですが、なにしろこちらテラスが二人掛けの一席のみ。
しかも長らくボトルオーブンが入居しているビルの改修工事が行われていた関係でなかなかお茶できずにいたのでした(じつはこのときまだ最終作業がおこなわれていて写真奥に脚立が)。
せっかくのテラスがお茶にもお菓子にも手を付けず一心不乱に漫画に読みふけっている人に占拠されていて涙を吞んだこともありましたっけ…

もちろん定番のクリームティーを、ジャムファースト(ジャムを先に塗る)コーンウォール式でいただきます。
スコーンにジャムとクロテッドクリームを添えたクリームティーは、グレートブリテン島南西端のコーンウォール半島が19世紀なかばの鉄道網の発達により観光地として栄えだして以降に生まれたといいます。
流通が未発達だった当時、足の早いクロテッドクリームは酪農地帯でなければ食べられないものでしたから十分ご当地名物になったのでしょうね。
それが人気を呼び、全土に広がって英国のお茶の定番になったのですから大発明だったと言えます。
発祥の地であるコーンウォール半島のデヴォンやコーンウォールの人々はクリームティーにプライドを持ち、それぞれクリームファーストとジャムファーストを至高と主張して一歩も譲りません。

店内に飾られていたバッキンガム宮殿のティータオル。
馬車の中をよく見ると…

前述のとおり現在はウィンザー城に疎開しておられる女王陛下。
来年6月のプラチナジュビリー(即位70周年)の祝祭のときにはこのようなお姿がまた見られるのでしょうか…
よく見るとオーナーさんのコレクションも増えておりました。


これらはコープランドと名乗っていた時代のヴィンテージのスポード。
写真ではわかりにくいですが少しにじんだような転写具合が現行品にはない味わいです。
コレクションの置き場所に頭を悩ませておられるオーナーさんですが、緊急事態宣言下でお店が比較的ヒマだとついつい新しい食器に目が行ってしまうそうで。
ウイルス禍の影響が思いもよらない形であったものですね…

ついでに同じ日に見かけた鵜を。
このイカしたポーズのままこゆるぎもせず、ずっと不動の佇まいでした。
鵜の羽毛(シャレじゃない)は潜水に適した吸水性の高い構造になっており、それを乾かすために羽を広げてじっとしていることがよくあると鳥に詳しい方にお聞きして感心いたしました。
黒い羽根も太陽光を効率よく利用して乾かすための適応なのかもしれませんね。