《森 光年》
大阪のとある駅裏に謎の露店がよく並んでるんですが、先日その一店に気になる品物が。 ![]() 雑多な食器の中に混じってブルー&ホワイトのディナープレート。 他に世界三大名窯の一つビレロイ&ロッホも並んでいたりと、その一画だけただならぬ雰囲気でした。 露店のマダムのお話では道楽者の叔父上がかつて登山のために欧州旅行に出かけてはこうした品物を購入してきたとか。 「あのころはヨーロッパなんか行ったら100万はかかったやんか? それをあの人は働きもせんと…」とどこか誇らしげに仰るマダムのご様子から、優雅な高等遊民のような叔父上の風姿が偲ばれました。 ちなみに90になる今もご健在だそうです。 ![]() そんな素敵なエピソードを伺っては購入しないわけにもいきません。 値段も格安にしていただけましたし、裏面の『Hエインズレイ』のスタンプも気になりましたしね。 エインズレイといえば英王室御用達の有名な老舗陶磁器メーカーですが、Hエインズレイはその創業者が息子のために創設した会社だったようです。 海外のオークションでは同様の食器が(ちょうど私が露店で払ったぐらいの)安値でゴロゴロ取り扱われていますし、日本では超マイナー。 こんな出会いでもなければ一生知ることもなかったし、知らなくともなんら困ることのなかった食器メーカーでしょうねえ。 こういうことにわたくしとてもロマンを感じるタチでして。 ![]() 領地で猟犬を引き連れ馬を駆る紳士たち。 ブルー&ホワイトの食器に描かれる絵柄は陶磁器が東洋から輸入されていた時期はアジアの光景、新古典主義が流行してからはローマの(たぶんに想像で補われた)景色へと移り変わっていったそうで。 こうした古き良き英国のイメージが描かれるようになったのは20世紀に入ってからなんでしょうかねえ。 ミッドセンチュリー前後の食器に多いような印象があります。 近代から現代へと急速に変化していく時代の中で失われた情景への憧れが強まっていったんでしょうか。 裏のスタンプの社名が使われだした時期や露店のマダムのお話を考慮するとこのプレートは70年代ぐらいのものかもしれません。 そんなわけで森光年なんですが、先週6月25日はナショナルクリームティーデイ! スコーンにクロテッドクリームとジャムを添えた英国のお茶の定番、クリームティーを楽しむ日です。 当日はあいにくの平日でしたが、休日に買って冷凍しておいたスコーンでクリームティーをいただきました。 ![]() ![]() もちろん、ジャムを先に塗るジャムファーストのコーンウォール式で! SNSのフォロワーにコーンウォールの人がいるんですが、彼と仲間たちのクリームティーデイ直前と当日の盛り上がりぶりはすごいものがありました。 スコーンは大阪の人気ティールーム『北浜レトロ』(→インスタグラム)のもの。 ![]() 北浜レトロ外観。 そういえば店頭から長らく姿を消していたユニオンジャックが復活しておりました。 ![]() 店内の様子。 明治時代の建物がリノベーションされており、たまらない趣があります。 いつもは階段の踊り場までずらーっと続いているティールーム入店待ちの行列がこの日は奇跡的になし。 ですが2階でお茶するのはもう少し状況が落ち着くまでの辛抱ですね…行列がないとはいえ相変わらずの大賑わいなのは間違いないですし。 |
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