《森 光年》
本日2月21日は2023年のパンケーキデイ! イースター前の断食期間に突入する前に食材を使い切ってしまうためパンケーキを焼いたことを起源とする祝日です。 イギリスの伝統的なパンケーキは薄焼きでレモンと砂糖で食べる素朴なものです。 もっとも現代では我々がよく知るふっくらしたパンケーキの方がイギリスでも一般的なようですね。 ![]() ということで今夜はささやかなお祝いを。 英国式パンケーキに見立てたのは近所のスーパーで売っていた冷凍のチャパティです。 昨年まで使っていた冷凍クレープが見当たらなかったので目についたこれを手に取りましたが、見た目完全にパンなのでパンケーキからは遠ざかりましたね… そもそもパンケーキという名前なのにパンと程遠い見た目なのがおかしいという話ですが。 でも味の方はクレープよりもこちらの方が飾り気がなくてレモンと砂糖に合うかもしれません。美味しい。 パンケーキデイと言えばフライパンでパンケーキをひっくり返しながら競うパンケーキレースで有名ですね(有名ですよね?)。 この記事を書いている時点ではイギリスはまだ午前中なので、残念ながらSNSにはレース前の様子しか流れてきていません。 が、ハンプシャーのウィンチェスター大聖堂がナイスな写真を投稿してくれました。
と…尊すぎる! この司教、自分が尊いのを完全にわかってやってるとしか思えません。 昨年のウースター大聖堂といいイギリスの教会のパンケーキレースのツイートに外れなしです。 さておきこのあとはTwitterで「#PancakeRace」タグを見守りつつ出走の時を待とうと思います。 そんなわけで森光年なんですが、毎度おなじみ大阪は谷町九丁目の『ティールーム グランドツアー』(→インスタグラム)で先日、珍しいお菓子をいただいてまいりました。 ![]() ドイツのヘッセン大公家の傍流バッテンベルク家の貴公子と英国の王女の結婚を記念して誕生したとされるバッテンバーグケーキです。 珍しい、とはいっても当ブログでは以前にもご紹介していますね。 ちなみにその貴公子はイギリスに帰化するにあたってルイス・バッテンバーグと名前を英国風に改め、さらにより英国式にマウントバッテンとあらためています。 ルイスの長女はギリシャ王家に嫁ぎ、その息子がイギリスに亡命してエリザベス2世女王の夫フィリップ王配になっています。 また英海軍で第二次大戦の英雄となった次男はチャールズ皇太子(当時)とじつの兄弟のような間柄で、彼の死が皇太子とダイアナ元妃を結びつけたといいます。 蘊蓄はさておきマジパンで包まれたバッテンバーグケーキは英国菓子には珍しいしっとりと上品な食感です。 色分けのされた生地にはライムやローズの香りが付けられ、ともすればフランス菓子のような雰囲気になってしまいそうですがグランドツアーのそれはあくまで英国菓子の口あたり。 無限にお茶を呼ぶお茶泥棒でこれはたまりません。 ![]() こちらは特別にご馳走になった試作のホーリーゴグ(Hollygog)プディングです。 日本語はもとより英語で検索してもあまり情報が出てこないローカル英国菓子のようですがオーナーさんが古いレシピ本から発掘してこられたのでしょうか。 英語の検索でヒットした情報によれば「オックスフォードシャーのキディントン村のゴールデンシロップのローリーポーリー」だそうで。 ようするにジャムを巻くことが多いローリーポーリーというお菓子に代わりにゴールデンシロップを巻き牛乳に浸して高温のオーブンで焼いたものだそうで。 フレンチトーストの遠い親戚という感じでこれも美味しい! メニューに本採用されたら評判を呼びそうです。 バッテンバーグケーキの時点で日本ではそうそう遭遇できない存在ですがさらにこんな珍しいお菓子との出会いまで。 持つべきものは馴染みのティールームですね! |
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