《森 光年》
最近いろいろあったので(主にチャールズ国王の戴冠式)言及できずにいましたがバラのシーズンですね。 大阪は中之島公園のバラ園は今年も色とりどりのバラで彩られ大賑わいでした。 ![]() こちらは先週末の様子。 シーズンも終わりが近づきバラ園はやや放置気味に感じましたがこれはこれで爛熟した美しさがあります。 とはいえ近代のバラは19世紀に中国産のバラから四季咲きの性質が導入されているので本当は季節を問わず開花するんですけどね。 各地のバラ園では来客の多いGWに咲き具合のピークを持ってくるよう調節していたりします。 ![]() こちらがヨーロッパのバラに四季咲きの性質をもたらした中国のバラのひとつ「ヒュームズ ブラッシュ ティー センテッド チャイナ」です。 「T」とあるのはティーというバラの系統名でお茶に似た香りがすることから名づけられています。 このティー系統からハイブリッドティーという系統が生まれ、これが近代のバラの中心的な系統になっています。 ![]() そのハイブリッドティー系統の元祖がこの「ラ フランス」。1867年にフランスで作出されました。 ハイブリッドティー系統は1945年に発表された「ピース」でその頂点を迎え、1980年代ごろには「ベタすぎてダサい」と言われる羽目に。 代わりにハイブリッドティー系統以前のオールドローズっぽい見た目のバラを生み出すのが流行ったりといろいろありましたが、この「ラ フランス」からすべてが始まったと思うと感慨深いですね。 そんなわけで森光年なんですが、悪天候が多かった今春のバラシーズン。 先週末はひさしぶりの晴れ! ということで毎度のことながらピクニックに行ってまいりました。 ![]() ![]() 昼過ぎまで空は分厚い雲に覆われ、晴れの予報は大外れか…と思われましたが中之島公園に到着した途端ごらんのとおり! ひさしぶりに快いピクニックを楽しめました。 セイボリーとお菓子は谷町九丁目の『ティールーム グランドツアー』(→インスタグラム)で調達しております。 ![]() 鹿肉とポークのパイ。ジビエにベリーは定番の組み合わせですがこちらはなんとプルーンです。 しかもポークとのコンビネーションとなると想像がつきませんでしたが口に入れてこれしかないと納得。 レバーを思わせる鹿肉のコクがあっさりしたポークとよく合います。 これがチキンだと逆にあっさりしすぎて鹿に負けそうですのでここはやっぱり豚なんでしょうね。 肉と肉との相乗効果をプルーンの独特の味わいが巧妙にまとめ上げる緻密な構成です。 ![]() お菓子はこちらのメイズ・オブ・オナ―。 イギリスの伝統的なチーズタルトでキュー王立植物園近くのティールームが元祖を主張しています。 グランドツアーのそれはタルトやパイ生地という枠を超えてフランスのヴィエノワズリーを思わせる繊細さ! チーズ部分の味わいは深く、キャラメリゼされた表面にはジャムが使われているのでしょうかほのかに甘い酸味が。 こちらのティールームでメイズ・オブ・オナ―と出会ったのは初めてですがこれは絶品です。 ちなみにこのメイズ・オブ・オナ―、英国王ヘンリー8世の妃アン・ブーリンゆかりの菓子とされていまして(諸説あり)。 じつはこの日はアン・ブーリンが夫である国王の命令によりロンドン塔で処刑された日の翌日だったんですよね…。 アン・ブーリンの魂は今もロンドン塔をさまよっているとされ、幽霊大国イギリスでも屈指の有名幽霊の一人になっています。 ![]() そんな日のピクニックのあと、中之島バラ園の片隅にひっそりと一輪だけ花をつけているこのバラの存在に気づいて因縁を感じました。 ![]() このバラ園にはもう何年も足しげく通っていますが、こんな名前のバラが植わってたんですねぇ…合掌。 |
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