《森 光年》
前々から気になっているんですが、よくよくデパートやなんかの館内放送で『先ほど、○○にて××をお買い上げになられたお客様、至急お伝えしたいことがございますので○○までお戻りください』っていうのがあるじゃないですか。 何なんでしょうか、あれは。いったい何をお伝えしたいというのでしょう。もしや言われたとおりに売り場に戻ってみると、そこには黒尽くめで黒マント、コーホーと妙な呼吸音のする黒ヘルメットをかぶった男が待ち構えていて、「アーイム ユア ファーザー」などと衝撃の事実をお伝えされてしまったりするのでしょうか。おそろしい……皆さまもお気をつけください。 というわけで森光年なんですが、気になるといえば私にとって国内のモードブランドでもっとも気になる存在がNハリウッド(N.HOOLYWOOD Nハリ、もしくは流通会社名のミスターハリウッドからミスハリとも呼ばれる)なわけなんですが、気になる気になると人にも公言してはばからないにもかかわらず、Nハリウッドが東京コレクションで披露した09-10年秋冬のコレクションについて、つい先日までまったくノーチェックでした……不覚。2ヶ月も前に披露されていたのに。 で、そのNハリウッドの最新のコレクションがこちら↓ <09/10年秋冬東京・コレクション>N.ハリウッド、新作を発表(MODE PRESS) デザインの素晴らしさはいうまでもなく、あいかわらずコンセプトの着眼点が良いのです。今回はゲーリー・クーパー主演の映画『摩天楼』(The Fountainhead 1949年)から着想を得たのだそうで。ダブルのスーツとか素敵。鉄人28号的な世界です。 モノトーンばやりの昨今のモード界の潮流にいたずらに追従するでなく、かといって安易に反発するでもなしに独自の理由づけを打ち出してくるあたりNハリウッドの素晴らしさだと思います。 Nハリウッドのコレクションといえば08-09秋冬のナード(アメリカ版オタク)スタイルも衝撃的でしたが、個人的にはアーミッシュをテーマにした09年春夏のコレクションが大好きです。 アーミッシュとは、近代文明を極力遠ざけ聖書そのままの生活をつらぬく人々のことで、かつてヨーロッパから移住してきて、アメリカ合衆国のペンシルベニア州やオハイオ州などで伝統的な暮らしを営んでいるのだそうです。 厳格な規律に基づいて暮らす彼らは、子供のころこそある程度色のついた服も着れるそうですが、 長じてからのちは定められたモノトーンの服を身につけるようになるとのこと。Nハリウッドの前回のコレクションは、アーミッシュの子供がだんだん大人になっていく様子をイメージしているとか。 厳粛さのなかにもロマンチックさを漂わせる美しいコレクションでした。 こちらがその模様↓ N.Hollywood 2009 四角形を組み合わせたような幾何学模様のTシャツをモデルさんが着ていますが、これはアーミッシュの人たちが作るキルトの模様をモチーフにしているそうで。いいですよね、これ。 このTシャツ欲しいんですけど、高いんですよねぇ。他の国内モード系ブランドと比べるとNハリウッドの服はかなりお求めやすい部類のお値段なのですが、そんな中でもこのTシャツはかなり高いのです。模様のところがプリントでなく本当にキルトだからだと思いますが。 古着で出まわるようになっても高いんだろうなあ…… |
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