《森 光年》
十字架にかけられたあとのイエスの体を包んだとされる『トリノの聖骸布』が十年ぶりに公開されたそうで。 おもえばトリノでオリンピックが開催されると聞いたとき、「あの聖骸布で有名なトリノで!?」とひとりテンションの上がっていたオーパーツファンの私でありました(キリスト教徒の人たちが大切にしている聖遺物をオーパーツ呼ばわりするのもなんですが)。 が、蓋をあけてみれば聖骸布の話題が人々の口にのぼることなどとくになく、まるでそんな布などありませんといわんばかりにつつがなくトリノオリンピックは終了を迎えてしまい、たいへん寂しい思いをしたものであります。 それをなぜ今更……という気持ちがないでもないですが、まあ、いろいろ事情もあるのでしょう。これを機に、聖骸布の存在が少しでもメジャーになればと思います。 そんなわけで森光年なんですが、当ブログでは大浜がよく映画関連の話題に言及していますけども、今回は私がロバート・ロドリゲス監督の新作について書かせていただきたいと思います。 ロドリゲス監督といえば、彼の撮ったプレデターの新作が7月に全米公開される予定なんですが、じつは今年はそれ以外にもうひとつ新作が公開されるそうで。製作発表は三年も前に行われていたようなんですけど、恥ずかしながら私はつい最近までその作品の存在を知りませんでした。 そもそもの始まりは、2007年に公開された『グラインドハウス』においてロドリゲス監督が製作した実際には存在しない映画の嘘予告編だったそうで。『マチェーテ』という名のその架空の作品を本気で長編映画として製作してしまおうというユニークな試みです。 とりあえず、『グラインドハウス』で使用された嘘予告編がYouTubeで見つかったのでご覧くださいませ。 Machete Trailer いやあ、どうでしょう皆さん。このチープさ、そしてバカっぽさ。 スクリーンで映画を見ることのなくなって久しい私ですが、これをこの通りに長編にしてくれるんだったら迷わず映画館に直行しますね。 まず、ダニー・トレホが主役のアクション映画という時点で、こみあげてくる笑いを抑えきれません。ロドリゲス映画の常連脇役であり、『デスペラード』では投げナイフでバンデラスをあと一歩というところまで追いつめたにもかかわらず味方に撃ち殺されてしまう無口な殺し屋の役を怪演していたダニー・トレホが、まさか主役の座につこうとは! グラインダーでマチェーテ(山刀)を削るトレホ! 滝つぼでトップレス美女とたわむれるトレホ! バイクにガトリングを装着して爆炎を背に飛翔するトレホ! どのシーンも奇妙な違和感が笑いをさそいます。 相棒の神父役を真面目くさった顔で演じるチーチ・マリンも最高ですね。 さて、この『マチェーテ』の長編映画版なんですが、じつはキャストがすごく豪華なのです。なにしろ悪徳上院議員としてロバート・デ・ニーロ! 麻薬王の役でスティーブン・セガール! さらにはマイアミバイスでおなじみのドン・ジョンソンまで登場してトレホの前に立ちふさがるというのですから、主役と悪役のネームバリューがあきらかにアンバランスです。どんな映画になるのか楽しみでしょうがない。 懸念があるとすれば、どんな映画もそれなりに優等生的な作品に仕上げてしまうロバート・ロドリゲスの職業監督気質でしょうか。盟友タランティーノのような、やりたいことをやりたいようにやる奔放さが彼にも多少はあってもよいと思うんですが。 あと、こんな売れなさそうな映画が果たして日本で公開されるのかという心配もありますが、日本人の大好きなセガールが出ているのなら大丈夫、と信じて待ちたいと思います。
と思っていたら、いつのまにかYouTubeに『マチェーテ』の本物のトレーラーがアップされていました。
Machete (R-Rated!) Illegal - Official Trailer (2010) HD うわぁ、ほんとに出演してますよデニーロとドン・ジョンソンが! しかも、トレホとセガールが二刀流で対決している! なんだかここだけみると、トレホが悪役として出ているセガールの新作映画という感じですが、じっさいには逆なんですよね。すごいことです。 他にも、嘘予告編にはいなかった強そうな眼帯の美女とかエロそうなシスターとかも加わっていたりと、たいへん面白そうですね。山刀をふりかざしてローライダーで行進してるのも楽しそう。 トレホがトップレス美女とたわむれるシーンがどうやらカットされたようなのが、残念といえば残念ですが。 |
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