《森 光年》
前回の記事でニルバーナの『Smells Like Teen Spirit』の動画を貼り付けたわけですが、なんの因果かあの記事を書いた直後に大阪心斎橋のアメリカ村を歩いていたら、でかでかとカート・コバーンの写真がプリントされたヒステリックグラマーのTシャツ(→参照)を着た人と遭遇してしまいました。 じつはその直前、馴染みの古着屋さんにまったく同じデザインのTシャツが入荷していて、こんなの誰が着るんだろうと首を傾げていただけに衝撃も二倍でしたね。 ぎょっとして思わず凝視していたら、着用者の人が「わかるかい? 俺のTシャツのかっこよさが」とばかりに、にやっと勝ち誇った笑みを浮かべたのがなんか悔しかったです。べっ、べつにかっこいいから見てたわけじゃないんだからね! あとニルバーナのファンなわけでもないんだからね! いや、ツンデレでもなんでもなく、実際そのTシャツはかっこよくもなければ私はニルバーナのファンでもないわけなんですが。 そんなわけで森光年なんですが、ロック話のついでにわれらのリルリルことLil Wayne(リル・ウェイン)のゴキゲンなロックナンバーをご紹介いたします。 Lil Wayne - Da Da Da リル・ウェインといえば、名の知れたラッパーでありながら今年の初頭に全編ロックのアルバム『Rebirth』を発売するという冒険的な行動に出たことで話題を呼んだ男なんですけども、その『Rebirth』の収録曲が続々とシングルカットされているようで、この『ダ・ダ・ダ』もその中の一曲ですね。 黒人音楽に起源を持つとはいえ、その後は白人の手によって簒奪され、すっかり白人の音楽となってしまったロックを黒人がやることにはいろいろと苦悩や葛藤がつきまとうかと思うのですが(ジミ・ヘンドリクスも白人の音楽を演る裏切り者、という黒人層からの批判に生涯苦悩したそうですし)、そんなことを微塵も感じさせない屈託のないリルのロックンロールぶりは爽快の一言です。 とはいえこの『ダ・ダ・ダ』は根っ子にちゃんとヒップホップを感じさせる一曲になっていて、いかにもロックな感じのメロディアスな音楽が生理的にちょっと苦手な私でもノリノリで楽しめるのがいいですね。 ちなみに、ヒップホップ界隈でおしゃれさんといえばパリコレ大好きでついにはヴィトンとコラボまでしてしまったカニエ・ウェストあたりが有名ですが、個人的にはリル・ウェインもけっこうおしゃれだと思います。 マイアミのビルの屋上でのゲリラライブという設定のこのPVでも、白のTシャツに黒のパンツというシンプルないでたちに、スタッフから受けとった黄色いアレキサンダー・マックイーンのドクロ柄のスカーフを後ろポケットにつっこんで颯爽と舞台に上がるリルがかっこいいですよね。 まあ、服装のダサさはラッパーのポリシーみたいなところがありますから(最新作のPVにおけるサイプレスヒルのチェックのネルシャツは21世紀とは思えない感じでした)、そんな中においてはカニエやリルが比較的ましに見えるというだけの話かもしれませんが。
参考:サイプレスヒル『It Ain't Nothin' 』のPV
まぎれもなく名曲なんですが、このネルシャツはちょっと…… あと「撮影なんだから企業ロゴの入ったTシャツは着てくるなよ!」って言われたのにうっかり着てきちゃった人がいて(多分)胸にモザイクがかかっているのが可笑しいです。 そういえばヒップホップにロックを持ち込んだ元祖であるところのサイプレスヒルは、リル・ウェインの大先輩ともいえる存在であることにいま思い至りました。 い、いや…っ、最初から意図して紹介したんですよ! わざとです、わざと! |
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