《森 光年》
この夏の猛暑は偏西風の蛇行が原因だったそうですが、先日、結婚して二人暮しになるからと不要な蔵書を整理していた友人から貰い受けたなつかしのオカルト漫画『MMR』を読むともなしに眺めていてびっくり。 なんと1994年のあの深刻な米不足(今の若い人はご存じないかもしれませんが、あったんですよ昔そういうことが。国産米が品薄になり、輸入したタイ米を混ぜたブレンド米が出まわったりしてました)を引き起こした93年の冷夏も偏西風の蛇行が原因だったんですね。 そういえば今年も、日本が酷暑に見舞われた一方で偏西風のうねりの別の部分に呑み込まれた地域は冷夏になったりしてましたっけ。夏前に気象庁が今年は冷夏になるというまったく逆の予想を立てていたのも、偏西風の蛇行具合が93年のものと似ていたからだったのかもしれません。 ちなみにMMRのキバヤシいわく、93年の偏西風の蛇行はチベットに隠されていた風水の秘儀をもちいてヒトラーの末裔が仕掛けた人為的な異常気象だったそうです。そうした異常気象で世界的な食料危機を引き起こし、1999年までに世界を掌握するのが狙いだそうですよ。 1999年もとっくに過ぎたというのに、今年もがんばってたんですねえヒトラーの末裔の人たち。 そんなわけで森光年なんですが、若干いまさら感はありますが先週の日曜は当サークルの風見鳥渡も書いておりましたとおり大阪の日本橋を中心に活躍するインディーズのプロレス団体『紫焔』の興行を見に行ってきたので、そのことについて書こうと思います。 前日に試合会場を借りての大会を終えたばかりで(いつもは青空プロレスなのです)選手の皆さんの疲労も抜けきっていないであろう中、しかも浪速区民まつりというローカルなイベントの会場内という特異な条件での興行でしたが、大いに盛り上がっておりました。 区民まつりということで観客にはお子さんも多かったんですが、やっぱりお子さんのテンションの上がり方はすごいですね。 第二試合に『紫焔』の鬼教官ともいえるベテラン、タイガーハート選手が出ていたんですが、やはり筋骨隆々の肉体に赤い虎のマスクが子供たちの目にはヒーローっぽく映ったのでしょう、試合が佳境に入ると「タイガーハートがんばれー!」と絶叫せんばかりの(というか実際、半泣きで絶叫してました)大声援。対戦相手のヒールレスラーがダーティ殺法でハート選手を追いつめると「ああ~っ!」とまた絶叫するという盛りあがり具合で、非常にほほえましかったです。 後輩に胸を貸すベテランの立場ゆえ、いつもは鉄壁のごとく対戦相手に立ちふさがるハート選手なのですが、この日はエプロンサイドに力なく横たわってピンチっぷりをアピールするなど普段は見られない姿で子供たちをハラハラさせていましたね。熱烈な声援を一身に浴びながらぐったりと青空を仰ぐハート選手、レスラー冥利に尽きるという感じで最高に気持ちよさそうでした。 その前日の大会で『紫焔』の軽量級のエースであるドングリー藤江選手が大技シューティングスター・プレスを披露したことは風見鳥渡が書いていましたが、この日もおなじく軽量級でドングリー選手のライバルともいえるアグー松永選手がなんとファイアーバード・スプラッシュを繰り出しておりました。 Firebird Splash 普段からムーンサルトプレスを決め技にしているドングリー選手がその発展形であるシューティングスター・プレスを使うことは凄いことではあるけれどもある程度予想の範囲内だったんですが、まさかアグー選手がファイアーバードを使うとは……最近はレスリング経験者であることを活かしたサブミッションを前面に押し出していただけに意表をつかれました。 カート・アングルばりのアンクル・ロックからリバース・バイパーホールドへの渋い連携を見せてくれたりと、ここのところアグー選手がいい感じですね。 あと、私の注目している選手といえばヒールのマロ栗山選手なんですが、この日の興行では前述の第二試合、重量級ヒールのジョーカー冬木選手と組んでのタッグマッチでタイガーハート・大久保寛人組と対戦しておりました。 結果はタイガー不在の隙を突いてマロ選手が大久保選手からフォールを奪ったんですが、そのときに披露した技がなんと魔人風車式DDTからライガーボムへの連携という渋すぎるものでして。 ライガーボムはともかく、魔人風車式DDTとは渋い。スーパー・ストロング・マシン選手の必殺技『魔人風車固め』(フロント・ネックロックの体勢で相手をホールドし、さらに片腕を固めてジャーマンのように投げる技)の体勢からのDDTですが、半端なプロレスファンである私なんかは写真でしか見たことないですこんな技。さすがはマロ選手、そういう渋いところが最高です。 |
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