《森 光年》
用がなくても暇さえあればあっちこっち出かけてないと死にそうになる体質の私なんですが、ここのところは『墜落天使』の詰めの作業に追われ、ろくすっぽ遠出できておりませんでした。 で、先日ひさしぶりに心斎橋界隈まで自転車を飛ばしてきたんですが、あれですか。私がちょっとした浦島太郎状態だったあいだに世の女性たちのあいだではフリルいっぱいの黒スカートに黒のニーハイソックスを合わせるのが流行しているんですか。 あまりにも頻繁にそういう格好の人に遭遇するもんで、最初はどこかでゴスロリかパンクのイベントでもあるのかと思ってしまいましたが、よくよく見るとどうも一般女子がゴスの定番であるそのスタイルをしているようなのでびっくり。 そういえば今年の春ごろ、80年代の魔法少女アニメみたいなひらひらスカートが一瞬だけ流行ろうとしてすぐ消えたことがありましたが、あれが黒になって戻ってきたということでしょうか。 女性の流行というのは面白いものです。 そんなわけで森光年なんですが、世界的なヒップホップDJにして音楽プロデューサーのカニエ・ウェストが2年ぶりのニューアルバム『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』を来週、11月17日にリリースする予定になっておりまして。 心斎橋のアメリカ村では早速そのアルバムの曲を店頭でガンガン流しているお店もあったりして注目度の高さをうかがわせましたが、新譜の発売に先立ってカニエが自ら監督したというPV……というのかなんというのか、ニューアルバムの収録曲を使用した短編映画のようなものが公開されております。 Kanye West - Runaway (Full-length Film) (YouTube) 夜の森で謎の鳥女(モデルのセリータ・エバンクスの肉体美が圧巻)を拾ったカニエが、彼女のためにあれやこれやするのだけれど……という幻想的な不条理系作品で(冒頭に先日生産終了したばかりのランボルギーニ・ムルシエラゴが大爆発するシーンがあるのがタイムリー)、衣装を気鋭のNY系デザイナーであるフィリップ・リムが手がけていたりしてたいへん豪華なんですが、なにしろ30分以上もあるのでよっぽど興味のある人だけご覧いただければと思います。 で、ここではその映像から切り取られた『Runaway』という曲(映像と同タイトルのこれがたぶんアルバムの代表曲的な位置づけなんでしょうね)が流れるパートだけ貼りつけておきます。 Kanye West - Runaway (Video Version) ft. Pusha T まず、なんといっても黒いバレリーナたちの筋肉の躍動と鍛えあげられた所作に目を奪われてしまいますね。みなさん腰まわりがやけに色っぽいのはカニエの趣味でしょうか。 ともかく、この『Runaway』をはじめ映像に使われている曲はどれもスケール感の広がりが素晴らしく、ヒップホップの人でありながらラップでなく歌を唄うという新展開でファンをあっといわせた前アルバム『808s & ハートブレイク』の路線を継承しつつ深化させ、あらたなカニエワールドを確立しております。 それにしてもカニエ、気のせいでしょうか『808s & ハートブレイク』のときとくらべて唄がうまくなっているような(ラップはあいかわらず下手なのに)。 2年のあいだ、地道に練習を重ねていたんでしょうか。いくら音楽性がエレクトロに急接近しているとはいえ(これはヒップホップ界全体の傾向でもありますが)ルーツはDJなんだから力のいれどころを間違えないでほしいものです。 ともあれ『マイ・ビューティフル・ダーク・ツイステッド・ファンタジー』、いいアルバムになりそうですね。 ちなみに、くだんの映像が収録されたDVDの付いた限定版も12月1日に発売されるそうです。 |
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