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お勧めのカフェ 天満橋の『喫茶 星霜』
《森 光年》
私がよく行くスーパーの店内BGMはどうやら有線でないらしく、いつもおなじJ-POPの曲がかかっていたりして店の誰かの趣味が反映されている感じなんですが……
誰だ!? 小公女セーラのエンディング流したのは!

小公女セーラ  ひまわり (下成 佐登子)


ナイス選曲です、ありがとうスーパーの人!
大ヒットしたこのアニメ、「弱虫は庭に咲くひまわりに笑われる」という印象ぶかいフレーズが当時のアニメ雑誌の投稿欄でネタにされたりしてましたっけ……なにもかもがなつかしい。

セーラの黒タイツに欲情する、というような内容の投稿もあったりして幼かった私は信じられないような気持ちになったものですが(あんな可哀想な物語のヒロインに欲情するということが理解できなかったのです)、そんな純真な少年もいまやすっかり薄汚い大人になってしまいました……


そんなわけで森光年なんですが、このあいだの三連休に新年会といいますかコミケの打ち上げといいますか妥協倶楽部一同とともに最近お気に入りの喫茶店に行ってまいりまして。
『喫茶 星霜』というそのカフェがかなり良いらしいとは以前から聞いていたのですが、ようやく行けたのが昨年の暮。それから短いあいだにもう三回ほど訪れているでしょうか、うわさ以上に素晴らしいお店です。
 
オープンしたのは2008年、大阪キタは天満の繁華なエリアから少し外れたエアスポット的な立地にひっそりとたたずむこちらの喫茶店、大柄で、しかしやさしげで繊細そうな愛想のよい店主の男性が一人で切り盛りしておられるお店なんですが、まず、なんといってもコーヒーが美味しい!

種類は中深煎りのブレンドAと深煎りのブレンドBだけなのですが、どちらもこだわりぬいたマニアックさを奥に秘めているくせに口あたりはやわらかく、花のような甘い香りがふわりとして、コーヒーにはこんなやさしい側面もあったのかと驚かされる珠玉の逸品で、コーヒーマニアから普段あまり飲まないという人まで幅広くお勧めできます。
私のお気に入りは深煎りのブレンドBで、グレープフルーツをおもわせる爽やかな酸味がたまりません。独特の香りを持つマンデリンと私の大好きなケニアのブレンドだそうで、なるほど納得という感じ。

エスプレッソやカプチーノなども充実しており、また紅茶にも力を入れているようなのでコーヒーが苦手な人にもぜひ来店していただきたいと思います。というのもこのお店、カレーとケーキもすごく美味しいのです! とくにベイクドチーズケーキが絶品! 店主の男性の手作りだそうですが、コーヒーといいチーズケーキといい、よほど確かな味覚の持ち主なのでしょうね。
あと、私はまだ食べていないのですが二種類あるサンドイッチのパンも、大阪のパン好きのあいだでひそかに話題になっている上本町のパン屋さん『ココロ』のものを使っているそうで。強いこだわりを感じさせます。

飲み物も食べ物も、どれも素晴らしいわりに価格はごく普通ですし、目の前は閑静な公園、その向こうは河川敷という立地も心安らかにくつろぐには最適で、ほんとうに非のうちどころのないお店です。
町並みに溶け込むような簡素な白い外観と、おなじく白を基調とし、古道具屋めぐりが趣味という店主の方が集めてきた無機質でありながらどこかやさしさを感じさせるインテリアでいろどられた店内の空間も素敵です。

ただ、その閑静さと引き換えにアクセスが不便なのが難点といえば難点ですね。周辺のどの駅からも徒歩十分以上かかってしまいますし、大阪市外からこられた方はもとより、大阪市内在住者でさえ足を伸ばすのがいささか億劫な立地です。
にもかかわらずお昼時にはひっきりなしに来客があり、満席もしばしばなのがすごいところですが。


コーヒーが美味しい店といえば、私のお気に入りは大阪は淀屋橋にある『Mole hosoi coffee 』なんですが、こちらの『喫茶 星霜』はそのホソイコーヒーと目と鼻の先……というとかなりの誇張表現ですが、自転車で10~15分ほどと比較的ちかくと言えば言えないこともない距離にあります。
どちらオープンした時期が近く、繊細そうで趣味のよい若い男性が一人で切り盛りしている点も共通してるのが面白いですね。

カフェでもセレクトショップでもなんでもそうですが、そういった店には店主の男性のナイーブな精神世界に足を踏み入れるような楽しみがあると思います。
昭和一桁に建てられた重厚なビルの地下の金庫室に鉄製の巨大なバーカウンターを置き、落とした照明とジャズ、オルテガのチマヨベストとブルーのシャツで身を固めたホソイコーヒーの店主。
閑静な河川敷の公園前にひっそりとした白い店舗、細い針で描いたエッチング画のような繊細な調度で飾られた白い店内にグールドの演奏するバッハのゴルドベルク、カーゴパンツと白いYシャツで身をつつんだ星霜の店主。
対象的なようでいて、男性のロマンチシズムを追求する姿勢にどこか共通するものを感じます。

機会があればぜひ、どちらのお店も訪ねてみてください。
 

雑記 | 2011/01/20(木) 22:23 | コメント(0) | トラックバック(0)
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