《森 光年》
すばらしくきれいな終わり方でしたね、『まどか☆マギガ』。教科書にしてもいいくらい理想的な最終回だったと思います。 しかしながら、小難しい方向へもっていったあげく最後は銀河が出てきて壮大に終わる展開(長年オタクをやっていると何度も繰り返し出あう光景です)を目にし、やはり我々オタクの想像力は富野の引力圏から逃れられないのか……祖皇フォーカスライトよ、時代はさして変わっておりませぬぞ……と、かるい絶望感に襲われたりもしたんですが、一方ではそのことに妙に居心地のよさを感じている自分がいることにも気づいて、歳をとったものだと痛感しました。 あと、連休は大阪のインディーズ団体『プロレスリング紫焔』の興行が4/29に昭和町で行われます。日本橋の空き地を追われて以来、二ヶ月ぶりです。非常にローカルな場所ですが、お近くの方は是非。 それと、大阪では各種百貨店や商業施設の開業ラッシュでなにがなにやらですが、5/4にオープンするJR大阪三越伊勢丹だけは行こうと思います。なにしろフランスでパティスリー界のピカソと賞賛されているピエール・エルメのショップが! デパ地下に! 東京には幾つも店があるのに、大阪には皆無なんで涙を呑んでいたんですよね、ピエール・エルメ。世界一ともいわれるマカロン、楽しみです。 そんなわけで森光年なんですが、現代モード界のトップデザイナーのひとりジョン・ガリアーノ(ジョジョの奇妙な冒険第六部にはジョンガリ・Aとして登場)が、街なかで人に絡んで人種差別発言を浴びせかけるという最低最悪な行為により長年つとめてきたディオールのデザイナーの地位を追われたというニュースはみなさまの記憶にも新しいことと存じます。 で、そのガリアーノが今度は自身のブランドである『ジョンガリアーノ』からも解雇されたそうなんですが……えっ!? 自分が創設したブランドからクビにされるなんてことがあるもんなんですか!? 創設者たるデザイナーが自らの名を冠したブランドをシグネチャーブランドといいますが、そのシグネチャーブランドのデザイナーが創設者から別の人に交代した例は過去に何度もありました。 ガリアーノを解雇したクリスチャンディオールも創設者であるディオール氏の死後、彼の若きパートナーであったイヴ・サン=ローランが後継者となりました。 ちなみにディオール氏は30歳も年下のイヴの才能に惚れこみ、私は彼に認められたいとまで言っていたそうです。萌えますね。 また、昨年自殺したアレキサンダー・マックイーンのブランドも彼の門下のデザイナーが引き継いでがんばっています。 自身のシグネチャーブランドが企業買収された結果、親会社との方針の相違によりデザイナーがブランドを離れてしまう例もあります。 有名なところではジル・サンダーがそうですし、イヴ・サン=ローランも2002年に自身のブランドから引退していますが、その前年にブランドがグッチに買収されていたことを考えると意味深です。 とはいえ、ガリアーノみたいに自分のシグネチャーブランドから解雇された例は聞いたことないですね。さすがは鬼才ガリアーノ、解雇のされかたも斬新です。 自業自得なので同情する気にはさらさらなれませんが、偉大な才がこのまま業界から失われるのは惜しいといわざるをえません。 そんなこんなで今、モード系の各誌がこぞってガリアーノの特集を組んでいるわけですが、某誌ではディオールのデザイナーに就任したばかりの90年代半ばのガリアーノの写真を載せておりまして。 これがもう、猟奇的な雰囲気さえただよう今のガリアーノとはまったくの別人! 人のよさそうな笑みを浮かべた温和で朴訥そうな青年で、ああ、成功者の孤独と重圧が彼を変えてしまったのか……と、感慨ひとしおでございました。 |
|
|
| 最初のページ |
|