《森 光年》
大阪では数日前から断続的に蝉の声が聞かれるようになり、これでいよいよ夏本番という感じです(とはいえ気温だけを見ればとっくの昔に真夏の様相を呈しているわけですが……)。 ここのところよく通っている近所の和菓子屋さん『塩伊』でもすっかり店先に並ぶ和菓子たちは夏のよそおい。私もさっそくわらび餅に水まんじゅう、くず餅等をいただきましたが、このお店はなにを食べても美味しいです。こんな名店があまり知られもせずに埋もれているのは大阪の甘いもの界全体の損失です。 大阪の夏の和菓子といえば淀屋橋にひっそりすぎるほどひっそりとたたずむ創業380年の老舗(なんと現存するなかで大阪最古です!)『高岡福信』の漆黒のわらび餅も忘れてはいけませんね。 今年はまだ買いに行けていませんが、あれを食べないと夏が始まった気がしません。 そんなわけで森光年ですが、前回ちらっと書きましたとおりユニクロがデザイナーのジル・サンダー氏と手を組んで展開していたコラボライン、+Jが終了するそうで。 その発表の少し前、なぜかユニクロ心斎橋店の店頭から+Jが姿を消し、案内板からも+Jの文字が消えてしまったので不審に思っていたのですが…… 心ないファッションマニアの人たちの中には、+Jは服の価値の分からないユニクロユーザーにとってはただ高いだけ商品だったのでまったく売れず、終了は当然などと冷笑的に述べている人もいるのですが実態はさにあらず。 開始当初こそなかなか理解を得られなかった+Jですが、本当に優れた商品であることが浸透していくにつれて人気が過熱し、昨今は店頭にならぶやいなや完売してしまうような商品さえあるという状況で、ここのところ赤字続きのユニクロにとっては売れ筋のヒートテックやブラトップとともに救世主のような存在だったのではないかと思います。 そんなドル箱をどうしてユニクロが手放す気になったのかはわかりませんが、たちあげ以来+Jを胸躍らせて見守ってきた身としてはかえすがえずも残念でなりません。 8月以降、順次発売される予定の次の秋冬シーズンが最後ということなので、気にはなっていたものの踏ん切りがつかずにいたコートやジャケットなど買おうかなとも思うんですが、年末のセールを待っていたら私のサイズであるSサイズから完売していってしまうんでしょうねぇ…… ユニクロといえば、ヴォーグ誌の協力により海外の各方面の有名人が参加したチャリティーTシャツが発売になってますね(→参照)。 レディ・ガガやニコール・キッドマン。シンディ・ローパーのような有名どころのほか、シャネルやフェンディのデザインも手がけるファッション界の帝王カール・ラガーフェルド御大(御年78歳!)やランバンのレディスをデザインするアルベール・エルバスなど、豪華な顔ぶれがそろっていて、これが全国の店舗で普通に買えてしまうということに、良くも悪くもすさまじいユニクロの企業力というものをあらためて思い知らされます。 なにしろ、小金持ちどもがいなかった18世紀が私は大好きだ! みたいなことを言い放ってしまうカール御大(たぶん王侯貴族のためだけに服を作っていられるような環境こそが理想なのでしょうね……)がチャリティーのためとはいえ庶民向けのファストファッションのTシャツをデザインしたわけですから、これはすごいことですよ。たとえこんな羞恥プレイのようなデザインではあっても…… |
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