《森 光年》
公開当時に劇場で観たのみならずVHSまで持っているというのに(ワゴンセールになってたのをなんとなく購入)、なぜかフランケンハイマー監督の『RONIN』をまたテレビで観てしまいました…… 夕飯どきにテレビをつけたら関西のローカル局でやっていて、ぼんやり眺めているうちに結局最後まで。 誰しもあるんじゃないでしょうか、そういうの。 運命の映画……なんだけど人生を変えるような作品とかでは全然なくて、べつに観たいとも思ってないのにテレビでやっているところに頻繁に遭遇し、ずるずると観てしまう映画というものが。 ちなみに私はニコラス・ケイジ主演のとくに見所もない凡作『スネークアイズ』をこの要領でかれこれ三回ぐらい観てしまっています。 これまた駄作の『ボーンコレクター』とか駄リメイクの『ジャッカル』とかも一度観ていたことを忘れてうっかり二度テレビで見てしまいました。 まあ、たまにはジョニー・デップ主演の隠れた名作『シークレット・ウィンドウ』やカポエラ映画の傑作『オンリー・ザ・ストロング』なんかをテレビで偶然二回観られたりしてラッキーだと思うこともあるのですが、たいていテレビで頻繁に遭遇するのは駄映画である確率が高いのはなぜなんでしょう。 あと、駄映画で思い出したとかでは全然ないんですが(と、いちおうエクスキューズを入れておきます)先日、地上波初放送だった例のあの名作ファンタジー小説が原作のアニメ映画を食事しながら少しだけ見たんですが、むらむらと怒りがこみあげてきて「金返せ!」と叫びたくなりました。 テレビ放映なんで一銭も払ってないんですが、それでもそう思わせてしまうだけのなにかがあの作品にはありましたね…… そんなわけで森光年なんですが、ラッパーのKid Cudi(カディと読むそうです)が師匠的存在であるでところのカニエ・ウエストをゲストに迎えて新曲(と、これだけ時間が経過した現在では言えるかどうか)をリリースしていたことになんと半年以上経って気づいてしまいました……音楽に関するアンテナ感度のあまりの低さにわれながら暗澹とした気分になります。 それをいまさらご紹介するのもたいへん間の抜けた話ですが、どうぞお付き合いくださいませ。だって皆さん! PVでカディが披露しているジミ・ヘンドリックスのコスプレ(なんでしょうね、これは。アフロにバンダナだし)が、すごく雰囲気あるんですよ! Kid Cudi - Erase Me ft. Kanye West 優しげなタレ目のおかげでしょうか、とってもジミっぽいです(ギタープレイはまったくさまになってないですが、そこはご愛嬌)。じつは私、前々からカディはネプチューンの名倉潤に似ていると思っていたんですがジミにも似ているとは気づかなかった…… 楽曲のほうはヒップホップ色を排してポップスのような体裁をとった意欲作で面白いですね。 ちょうどこの時期の少し前、リル・ウェインがラッパーでありながらロックのアルバムをリリースして物議をかもしていましたからそれに対抗したのかもしれません。たんなる便乗かもしれませんが。 それにしてもカディの師匠であるカニエ・ウエスト、このPVにも出演してラップしてますが「MJの次のポップ・アイコンは俺さ」なんてうそぶいているわりにはルックスがぜんぜんポップじゃないですよね…… カニエはその活動の初期において鈍重そうなぬいぐるみ風のクマをアルバムのジャケットに使ったりPVの主人公にしたりしていましたが、あれはポップでありたいにもかかわらずギャングスタ・ラッパーのようなこわもてに生まれついてしまった自分自身の投影だったのかもしれません。 なにをやらせても軽妙洒脱でポップそのもののカディとならぶとカニエのこわもてぶりが際立ちますが、そのカディをカニエが見出して自分の傘下に加えたのも、ないものねだりというか自分がこうありたかった姿をカディに重ねてのことだったのかもしれませんね。 |
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