《森 光年》
世界的な成功をおさめている音楽プロデューサーにしてラッパー兼おさわがせ男のカニエ・ウエストがついにパリコレにデビューしたそうです。しかもデザイナーとして。 カニエ・ウェスト、パリ・ファッション・ウィークでコレクション発表(MTV News) カニエといえば周囲から「あいつまた来てるぞ」という視線を浴びながらもパリコレのショー見物に日参し、その甲斐あってルイ・ヴィトンとのコラボでスニーカーを売り出すにいたったという筋金入りのモードオタク野郎。 自身が監督したショートムービーでも最新鋭のデザイナー、フィリップ・リムに衣装デザインを頼んだりしていましたからその気合の入りようは半端ではありません。 そんな彼がついにモードファン究極のあこがれであるパリコレのランウェイに、しかもモデルではなくデザイナーとして立ったというのは感慨ぶかいですね。 ショーの様子はこちらのサイトで見ることができますが、さすがはファッションマニアというべきか全方位どこからもつっこまれないようきっちりとモードの文脈をおさえて理論武装したそつのないモードコレクションです。 ちょっと優等生的すぎるきらいもありますが、そこがまた悪ぶってみてもじつは神経質でオタク気質なカニエらしいと思います。 個人的に面白いと思ったのはイカの輪切りを重ねたような白いブーツ。このブーツと黒いパーカーみたいなやつの組み合わせは可愛いと思いました。 そんなわけで森光年なんですが、ポーラ化粧品のB.Aという商品のCM曲が、あからさまにカニエ・ウエストの『POWER』をパクっているので聴いているとどっちがどっちだかわからなくなって困ります。 CM POLA B.A「黒と赤」篇
Kanye West - POWER
このCMのために作られたオリジナル曲とのことですが、それにしたってこのパクりっぷりはあんまりです。逆回転で再生したかのような微妙な違和感がじつに不愉快。 これならいっそ、正式に許可を取ってカニエの原曲を使えばよかったのにと思いますね。『POWER』にはゲーム『セインツ・ロウ3』のPVで使用されたという前例もあることだし。 まあ、ヒップホップというのはそもそも他人の曲を(もちろん市販する場合はちゃんと許可を取って)切り貼りすることで構成されている音楽なわけで。 カニエの『POWER』もその例に漏れず、キングクリムゾンの『21st Century Schizoid man』からサンプリングされているのは言うに及ばず、印象的な手拍子と掛け声部分はコンチネントNo.6というグループの70年代のヒットナンバー『Afromerica』からの流用だったりします。 Continent n° 6 - Afromerica なのでポーラ化粧品のあれもカニエのサンプリングと思えば許せ……ないよなあ、やっぱり。そもそも無許可だし。 ちなみに『POWER』が収録されているカニエのアルバム『My Beautiful Dark Twisted Fantasy』にはAphex Twinからサンプリングされた曲なんかも収録されていて面白いですよ。 Aphex Twin - Avril 14th Kanye West - Blame Game ft. John Legend |
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