《森 光年》
冬コミに落選したり、1962年の創刊以来日本のガンマニアの貴重な情報源として重要な役割をになってきた『月刊 GUN』誌がまさかの休刊をしたりといろいろあった今日このごろでありますが、それでも『グランド・セフト・オートⅤ』のトレイラーが無事公開されたのでよしとします。 Grand Theft Auto V. Trailer(公式ページ) 動画投稿サイトあたりにもそのうちアップされるかもしれませんが、すでにGTAⅤのトレイラーの名をかたった偽動画が氾濫して(Ⅳのときもそうでした)わけの分からないことになっています。 意外にアクセスが集中して見づらくなっていたりもしないので、興味のある方はぜひ公式ページでご確認ください。 もとい、興味のない方も是非! すごいです。すごいことになっていますよGTAⅤ。 そんなわけで森光年なんですが、前作GTAⅣのファーストトレイラーのときは制作途中感まるだしで、街中を黄色いタクシーしか走っていないというずさんな代物でしたが、さんざん待たせただけあって今回はちがいます。 精密に再現された都市の景観、圧倒的な大自然、活き活きとした人々の様子。 一時は大ブームとなり、安易な便乗ものから歴史に残る名作まで数多く作られた箱庭ゲーム。そのジャンルを世に定着させた始祖ともいえるロックスター社が、その集大成ともいえる究極の箱庭ゲーを作ろうとしている熱意が伝わってくるような気がいたします。 それよりなにより感動的なのが、今回の舞台がPS2時代に発売された名作『GTA サンアンドレアス(SA)』とおなじサンアンドレアス州(GTA世界におけるカリフォルニア州)であることです! 冒頭の場面からしてSAファンなら見忘れるはずもないロス・サントス(GTA世界におけるロサンゼルス)のサンタマリア・ビーチ。 高層ビルに椰子の木、ビバリーヒルズを模した高台の高級住宅地とハリウッドを模した巨大看板、そして平坦な建物が延々と続く貧困地域。浮ついた金と絶望的な貧困とが入り混じる虚飾と矛盾の街ロス・サントス。私の愛するその街がより細密に、より活き活きと猥雑になって帰ってまいりました。 しかも、水上スキーのシーンでちらっと映っている大きな橋がゴールデンゲートブリッジだとすると、ロス・サントスだけでなくサン・フィリオ(GTA世界のサンフランシスコ)も存在することになりますね。これは大ニュースです。
簡単に説明いたしますと、2004年に発売されたSAはそれまでひとつの都市だけを舞台としていたGTAシリーズから進化して、サンアンドレアス州の三つの大都市(ロス・サントス、サン・フィリオの他にラスヴェガスを模したラス・ヴェンチュラスがあります)と複数の小さな集落、それらのあいだに横たわる山林や砂漠などの大自然を含めた広大なマップ上を動きまわれるゲームで、その自由さから非常な好評を博し、シリーズ最高傑作と評されるにいたりました。
しかしながらGTAⅣでは舞台はふたたび一都市に戻ったのですが、さすがは次世代機と申しましょうか、おそろしいことにそのひとつの都市だけで三都市+大自然を有するSAの全体マップに匹敵する広さがあったのでした。 つまり、従来のGTAでは小さめにデフォルメされていたマップをリアルスケールに近いものにしたわけですね。 しかも、そのどこまでも広がる都市の景観の高密度な細密さといったらそれはもう凄まじいもので、もしもこの調子でSAを再現したらマップの広さはⅣの三倍以上。しかも次世代機のスペックをもってしても限界を超えてしまう懸念があります。 実際、トレイラー公開以前に流れていた噂のなかには、Ⅴの舞台はロス・サントスだけで他の2都市や山林や砂漠は含まれていない、というものもありましたし、ファンの間にも現実問題そこが限界だろうなあ、という雰囲気がありました。 そして今回のトレイラーが公開となったわけですが、蓋を開けてみればどうでしょう。山林がマップに含まれることはもはや疑う余地はありませんし、サン・フィリオに関しては登場する可能性が濃厚で、どうやらGTAⅤはファンの想像を超えたスケールのゲームになりそうです。 とはいえラス・ヴェンチュラスに関してはその存在をにおわせる情報がトレイラーに含まれていないことから、ファンの間でも登場しないのではないかという予測が囁かれています。たしかに、ラス・ヴェンチュラスおよびその周囲の広大な砂漠地帯を削除すれば大幅な容量の節約になりますからね。 あの砂漠地帯には地下で秘密の研究をしているエリア69という米軍基地や、UFOマニアの溜まり場らしきバーがあったりして面白かったのですが(もちろんUFOが墜落したというロズウェルと、その残骸を元に秘密兵器を開発しているとオカルトマニアが主張するエリア51が元ネタです。開発されていたのはUFOでもプラズナーでもなくバックパック型の飛行ブースターでしたが)。 とはいえ、砂漠とラス・ヴェンチュラスがマップに含まれている可能性も捨て切れませんので続報から目が離せません。 それにしても、SAの舞台が1992年(ロス暴動の年なので、作中でもロス・サントスで暴動がおきます)なので20年も経っているんですよねえ。SAのキャラたちは元気にしているのかどうか。 ウージームーなんかはラス・ヴェンチュラスのカジノで、共同経営者に落ち着いたCJとあいかわらずキャッキャウフフしてると良いと思います。 SAの重要キャラの一人にトゥルースという老ヒッピーがおりまして、その声優さんが『イージー・ライダー』で主役のキャプテン・アメリカを演じたピーター・フォンダだったりするんですが(もちろんヒッピーつながりで)、SAの時点でかなり高齢だったあのじいさんがヨガとマリファナの神秘のパワーでⅤの時代まで生き延びていて元気に登場したりすると面白いんですけれど、さすがにそれはないでしょうね。 |
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