《森 光年》
大阪梅田にある我が最愛にして今や関西を代表するパティスリーである『ラヴィルリエ』さんが昨年末、三周年&移転オープン&マダム出産という素晴らしき日を一度にむかえたことは以前に書きました。 で、そのときに私がささやかな贈り物(蝋蜜でできた食べても大丈夫な粘土でした。生まれたばかりの男の子がこれで遊べるのはいつのことだろうと思いつつ、飛び込んだ店に手頃なものがこれしかなくて…)をしたことも以前に書いたとおりなんですが、先日同店におじゃました際、なんとお返しをいただいてしまいました! 内祝いののしがついた黄緑色の包から出てきたのは、私のような男性には気恥ずかしいほど可愛らしい柄の素敵なハンドタオル! それもパリの老舗パティスリー、ラデュレの商品! ……って、なんでラデュレ!? いやまあラデュレが菓子とカフェの他に紅茶やらフレングランスやら小物やら展開しているのは存じておりますが、パティスリーの内祝いがほかのパティスリーの商品というのは、なんだか禅問答のような。 これはもしやあれでしょうか? ラヴィルリエの服部シェフが一度はパティシエへの夢をあきらめながらも、パティスリー界の奇才ピエール・エルメの著書を読んだことで再起し、みごと全国屈指の菓子職人となった話は有名ですが、そのピエール・エルメがかつてラデュレの副社長をつとめていたこともまた有名。 尊敬するピエール・エルメが副社長をつとめたラデュレのハンドタオルを内祝いとすることで初心を忘れまいとする服部シェフの気持ちがそこには込められて……って、なんだその分かりにくいメッセージ! そんなわけあるか! とにかくすごく嬉しかったです。ちょっとした贈り物のことをちゃんと覚えていてくださって。 世の中にはどんな贈り物をしても恩をあだで返すような人もいるというのに…… そんなわけで森光年なんですが、前回スコッチとトマトジュースのカクテル、バノックバーンですっかり癒されたはずがまだ少し落ち込んだ気分を引きずっていて、そんな私を元気づけるべく先日、妥協倶楽部のメンバーが集結してくれました! 年を経るごとに集まる機会も減ってきた古い馴染みの仲間たちですが、こういうときには何も言わずに駆けつけてくれる。男友達というのはいいものです。 で、ひとまずメンバー連れ立って私の大好きなカフェ、『モールホソイコーヒー』へお邪魔したのはいいのですが、どうやらテレビで紹介されたばかりだったようでひっきりなしの来客。 大人数(といっても四人でしたが)で占拠するわけにも行かず、早々に退散する羽目に。思えばこのときすでに不幸は始まっていたのかもしれません。
二軒目は日本橋に場所を移し、バー『UMEYA』でバノックバーンで乾杯! と思ったらバーテンダー協会のコンペティションがあるとかで休業の張り紙が!
そこからは訪れたバーがことごとく休業しているという不運に見舞われ、さらには心当たりの飲食店もことごとく定休日。すっかり難民と化したわれわれ。 こういうときこそ新規店の開拓だ! と飛び込んだのが南船場は難波神社ちかくの『ビグデン』さん。 昨年春、フランス人のご主人と日本人の奥様が開業されたガレットのお店で、前から気にはなっていたのですがなかなか行く機会がありませんでした。 フランスの情緒を感じさせながらも気どりすぎないアットホームな店内、人柄のいいお店の人たち、店の片隅で爆睡する可愛い赤ちゃん(けっこう店内にぎやかなのにぜんぜん起きない!)。素晴らしいお店でした。 そば粉のクレープにさまざまな具材をあしらったフランスの郷土料理ガレットも絶品! ランチはかなりお得なようなので、次はお昼にも伺いたい。もちろん夜もオススメです。 で、勢いをつけて三件目はバー。目当ての東心斎橋の『エデン・ザ・バー』さんがやはりお休みだったので、その隣のビルに飛び込みました。 心斎橋とその周辺のバーを紹介するこちらのサイトで見かけて前々から気になっていた『泰平バー』さんです。 木材を基調とした店内はバーでありながらほっと安らぐ雰囲気。店内は常連さんで賑わっていましたが決して閉鎖的ではなく、初見のわれわれも温かく迎えてくれました。 初見のバーで何を頼むべきかは人それぞれ一家言あるかと思いますが、私の場合はやはりジントニック。こちらのお店のものは香り高く素晴らしいジントニックで、ひと口飲んだだけでこのバーが好きになりました。 一日歩きまわってへとへとだったせいか酒のまわりは早かったのですが、ショートカクテル(シェイカーで振るやつです)も飲んでみたくてホワイトレディも注文。 甘くて芳醇。ドライなホワイトレディも好きですが、傷心には甘いお酒が染みわたります。 ちなみに複数えらべる突き出しから今回はサラダをチョイスしましたが、こちらもドレッシングが絶品。常連さんが教えてくれたところによると漬物やほかの料理も美味しいらしいです。 またひとりの凄腕バーテンダーさんと一件の素晴らしい店にめぐり会えました。難民もたまにはいいものですね。 |
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