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おれ、この戦争が終わったら平成のゲンスブールを目指すんだ……
《森 光年》
バーの話が続いた流れで書きますと、恋に破れたひとはバーのカウンターで『ブルームーン』というカクテルを飲むものと相場が決まっております。
ブルームーンには「ありえないこと」「叶わぬ恋」という意味があるからです(一方で、同じ月に二度の満月がめぐってくる希な現象のことも指します)。

すみれのリキュールにジン、レモンジュースを加えてシェイクしたとても香りのよいカクテル。紫がかったその色はその名のとおり蒼い月を思わせます。
かなり昔からあるというスタンダードカクテルの一つです。

それにしても、そんな失恋のお供ともいえるカクテルに使われるすみれのリキュールが、古来より『パルフェ・タムール(完全な愛、の意のフランス語)』と呼ばれているのはなんとも皮肉のきわみ。
昔の貴族たちはこのリキュールに、媚薬の効果があると信じていたからだそうです。

ブルームーン以外の飲み方としてはバイオレット・フィズなどが美味しくておすすめ。度数も低めですし、すみれの香りが堪能できます。


そんなわけで森光年なんですが、毎度毎度シャレオツなPVを貼って好評を博している当サークルの大浜サキが妬ましくてならないので、今回は少し前に発見したこんな動画を貼り付けてみます。フランスつながりでもありますし。


Serge Gainsbourg - Je t'aime... Moi non plus


フランスのミュージシャンにして稀代の女たらし(しかも、おそらくはさして異性に興味もないのにコンプレックスと女性への復讐心だけで口説き落としていたであろう男)、セルジュ・ゲンスブール(1928年~1991年)のいろんな意味で有名な曲『Je t'aime... Moi non plus』。

不倫の関係にあった大女優ブリジット・バルドーとデュエットしたバージョンもありますが、こちらはのちに妻となる女優のジェーン・バーキンとのデュエットです。
当時の音楽番組の映像でしょうか。この曲にこういうPV(?)みたいなのがあったとは不覚にも知りませんでした。

ところでじつはこの映像には、歴史上非常に貴重な物品が写りこんでいるのですが、みなさまお分かりでしょうか……
 
ジェーン・バーキンといえばかのエルメスのマスターピース的なバッグ、バーキンの名前の由来となった女優です。
世界中の成功した女性が所持している、素材によっては数百万円するバッグですね。某LV社のバッグなどとは値段の桁がちがいます。
レディ・ガガが真っ白なバーキンを持って来日し、ファンの人たちに好きに落書きさせたことがニュースとなり、エルメスを崇めたてまつる信者の方々の怒りを買ったのは記憶に新しいところ。

そのエルメスの象徴ともいえるモデルにジェーン・バーキンの名が冠されているのには、こんな逸話がありまして。
ある日、エルメス社の社長がジェーン・バーキンとおなじ飛行機に乗り合わせたそうなんですが、その際、彼女は籐で編んだかごに無造作に荷物を突っ込んでおりまして。
大女優がそんなことではいかんと思ったのか、エルメスの社長はのちにジェーン・バーキンのためにバッグをデザインして贈ったのだそうです。

そしてみなさま、あらためて先の動画にご注目ください! ジェーン・バーキンの手に無造作に荷物を突っ込んである垢抜けない籐のかごが!
まさかこんなかごをいくつも所持して鞄がわりに使っていたとも思えないので、おそらくこれがバーキンを生んだ伝説のかごの実物なんでしょうね……

まさか実物の映像が残っていたなんて、なんというか感無量です。
 

雑記 | 2013/03/10(日) 14:20 | コメント(0) | トラックバック(0)
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