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あの天才・橋本シェフのパティスリーが谷町沿線についにオープン!
《森 光年》
大阪は吹田市の岸部といういささか辺鄙なところに、関西随一とも言われるブランジュリ(本格的なフランス風のパンのお店のことです)『ル・シュクレ・クール』がありまして。

そのシュクレ・クールのオーナーが、フランスの正統なパンの文化を広めるなら同時に菓子文化も広めなければならない、として店の隣にオープンしたのが『ケ・モンテベロ』というパティスリーです。

大阪の都心からのアクセスがかなり良くない立地にありながら、ケ・モンテベロもまたフランス菓子の名店として名声をほしいままにしていたんですが、その立役者はなんといっても開業以来シェフをつとめてきた橋本氏。
フランス菓子の伝統にしっかりと立脚しながらも、結果として完成した菓子はそれ以上のなにかに到達している、そんな天才的な感性を持ったシェフです。

で、その橋本シェフが突如としてケ・モンテベロのシェフを辞し、大阪の甘いもの好きのあいだに衝撃が走ったのが一年半ほど前。
以来、独立開業の準備を進めているという噂はあったものの詳細は知れず。橋本シェフがいない、橋本シェフはどこだ、とスイーツ界隈はおおさわぎでありました。


そんなわけで森光年なんですが、いささか前置きが長くなりましたけれど、みなさまもうお分かりでしょう。
3月10日、その橋本シェフの新しいお店がついに開業しました! しかも大阪市内に!

大阪のフランス菓子界にひさびさのビッグニュース到来です。
このところ、百貨店にパリの有名店が出店してきたとかその程度のトピックスしかありませんでしたからねえ。
しかも行ってみたら美味しいのは美味しいけど、しょせん量産品だなあというレベルで、百貨店も誘致してくる有名店のネタが尽きてるのかなあと。
その一方で優良な個人のお店もいくつか開業してはいたんですけれど、胸おどるような大きなニュースというのはしばらくなかった気がします。

さておき橋本シェフの新店ですが、名前は『acidracines (アシッドラシーヌ)』
場所は大阪城公園や府庁の西。駅でいうと市営地下鉄の谷町線『天満橋』駅が最寄りでしょうか。梅田から地下鉄一本で行けるので、遠来の方にも便利なはず。

また、橋本シェフの親友であり、双璧をなすパティシエでもある服部シェフの『ラヴィ・ルリエ』も谷町線の『中崎町』駅からちょっと歩いたところにあるので、なんならはしごすることも可能です。
大阪ではまず間違いなくツートップ、関西でもベストファイブに入るであろう名シェフの菓子が続けざまに味わえるのですから、このうえなく贅沢なスイーツ散歩となること間違いなし。
 
で、さっそく先週末に行ってきました。
オープン当日に行けなかったのは、恥ずかしながら開業のニュースをラヴィ・ルリエさんのブログで月曜に知ったからです(更新されたのは土曜日)。
あまりにも不覚……関西の名だたるスイーツ猛者たちがオープン初日にさっそうと駆けつけていたというのに……

さておき、まだ短めではありましたが店先には人の列が途切れることがなく、商品も作っては出し、作っては出しの状況でした。
お会計のときに聞いたんですが、なんでもスタッフさんたちが次々と体調不良にたおれ、橋本シェフがひとりで頑張っておられたそうで。
商品が少ないことをお店の方がしきりに謝っておられましたが、ひとりでやられていてあのラインナップなら十分、いや十二分です。

ちなみに厨房と売り場は完全に仕切られていて作っている様子は見えません。そういえばケ・モンテベロもそうでしたね。シェフの信条が反映されているのでしょうか。
とはいえケ・モンテベロと似ているのはそこだけで、蒼い光に照らしだされた洞窟をイメージしたモンテベロに対し、新店アシッドラシーヌはシンプルながらぬくもりを感じさせる木調。
おちついて菓子を選べる内装です。

男性でも気後れすることなく入れそうなのもいいですね。
過度におしゃれな店に入るのはやはり勇気がいるものです(私のようなスイーツ狂いになってくるとそんなことはいささかも気にしませんが)。
オープン直後の慌ただしさは少しあったものの接客もすばらしく、これからが非常に楽しみなお店です。


あ、そうそう、あまりに当たり前のことなのでうっかり書き忘れそうになりましたが、味はとうぜん最高です。
一年半ぶりの橋本シェフの生菓子。堪能しました。
購入したのはチョコレートとオレンジの鉄板の組み合わせ、ショコラオランジュ。オレンジの皮のリキュール、コアントローが使用されています。

舌の上で、けっして混ざり合うことなくゆっくりと展開されるオレンジの甘味、酸味、苦味。
チョコレートを触媒としたクロマトグラフのようなそれは、まさにオレンジの分解再構築。
そのもののそのものらしさを抽出して別個に並置したとき、そのものはそのものであることをやめ、あらたな地平に到達するのだろうか……などということに思いを馳せるまでもなく、ただ単純にひたすら実直に美味しかったです。

おいしいお菓子をありがとう。
 

雑記 | 2013/03/19(火) 21:45 | コメント(0) | トラックバック(0)
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