《森 光年》
先日バーで飲んだとき、この宇宙で最高にダサいミュージックビデオはアース,ウインド&ファイアの『Let's Groove』のPV、という話をお店の方たちとしましたので、たぶん大昔にも一度ここに貼っていると思いますが再びご紹介します。 Let's Groove - Earth wind and fire - 説明不要、問答無用のダサ力(ださぢから)。もはや計測不能です。曲の方も音楽史上に残るファンクミュージックの傑作なのもまた味わい深い。 後半になるにしたがって混沌の度合いを深めていくのもいいですね。 これをみんなでスマホで見ていた際、バーのマスターが思わず漏らした「デビルメイクライのラスボスみたい…」というつぶやきは、けだし名言といえましょう。 そんなわけで森光年なんですが、以前にもここで話題にしましたヘミングウェイ考案のカクテル『午後の死』。 おさらいしておきますと、フランス人が大好きなパスティス、あるいはペルノーというアニスを使ったリキュール(歯磨き粉のような香りがします)をスパークリングワインで割ったものなんですが、最近は不意にこれを飲みたくなることがあります。 しかし、私の行きつけのバーである日本橋電気街の『バー UMEYA』は、マスターがとても巧みに『午後の死』を作るもののスパークリングワインが品切れのことが多く、このところ何度もふられ続き。 パスティスとシャンパーニュが常備されている店、となるとフレンチレストランが思い浮かびますが、まさか『午後の死』飲みたさにレストランで食事をするわけにもいかず。 そこで『午後の死』を求めて(変な字面)新規のお店を開拓することにいたしました。東心斎橋のフレンチバー『シャノワール』さん。 関西ではメジャーなグルメ情報誌「あまから手帖」で記事を読み、さらには淀屋橋のレトロ建築、芝川ビルの地下のアクセサリー店のマダムからもお勧めをいただいていたお店です。 美味しいフレンチとともにワインやフランスのリキュールをいただけるということで、心惹かれておりました。
場所は心斎橋の歓楽街にありがちな、狭いフロアにバーやスナックがひしめきあう小さな雑居ビル。
その場所柄と店内のうかがえない分厚い扉、そしてオープンなのかクローズなのかわからない(フランス語で書いてあるから)入口の札に一瞬、躊躇したものの勇気を出して飛び込みます。 笑顔で迎えてくれるメガネのマスター。案内されカウンターへ。調理担当のどこか物憂げな美しい女性(フランス感抜群!)も微笑んで挨拶してくださいます。 少し古めかしく、ぬくもりのある内装がパリを感じさせます。前述の芝川ビルのアクセサリー店、わが最愛のパティスリー、扇町の『ラヴィルリエ』、それから新町のカフェ『シェ・ドゥーブル』につづく、大阪の小パリを発見してしまいました。歓楽街の特異点。 初見でありながらぶしつけな注文とは思いましたが、パスティスのシャンパーニュ割り、すなわち『午後の死』をさっそくお願いします。 聞きなれないパスティスの飲み方にマスターはやや面食らわれた様子。それでもこちらのわがままに応じてくださり、できあがった『午後の死』の美味しかったこと! このオーダーは初めてですが、何か名前があるんですか? と尋ねるマスター。自分が考案したとでも言いたいところですが、ヘミングウェイの発案したカクテルであることを正直に打ち明けます。 マスターもシャンパンとパスティスが大好きということで、今度試してみますとおっしゃってくださいましたが実際どうでしょう。ただの社交辞令かもしれません。 飲んでみると美味しいんですけどね『午後の死』。こうやってあちこちで、普及というとおこがましいですが少しでも多くの人にパスティスのこの美味しい飲み方を知ってもらうべく、この夏はこのカクテルを飲み歩いてみたいと思います。 シャノワールさんでは他にもボルドーの赤を一杯とキッシュと料理ひと皿、それからブランデーでフランベしたクレープのアイス添えをいただきましたが、どれも至福でございました。素晴らしいひととき。 遅めのランチ営業もしておられ、そちらでもお酒が飲めるようですので、お財布への負担を考慮して次はお昼にお邪魔して『午後の死』を楽しみたいと思います。 ちなみに前述のカフェ、シェ・ドゥーブルさんもワインとパスティスなどのリキュールが常備されているので『午後の死』が飲めるのではないかと思います。今度試してみよう。 |
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